2018 Fiscal Year Annual Research Report
Nursing Approach of Disaster Preparedness for Brazilian mothers with children in Japan
Project/Area Number |
16K12334
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑下 博世 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50290482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 りつ子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50283544)
谷村 晋 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60325678)
石本 恭子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50634945) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 異文化 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳幼児を育てる日本人女性と在日ブラジル人女性を対象に、異文化看護の視点から、災害準備行動の在り方を検討するものである。量的調査と質的調査を実施し、日本人とブラジル人の災害準備に関する認識や準備行動の実態と、その類似点と相違点を明らかにした。災害準備行動実施率は、日本人59.1%、ブラジル人59.5%ともに6割弱と少なく、有意な違いはみられなかった(p = 0.973)。項目別の実施率も両群とも低く、両者に著しい相違は見られなかった。唯一有意な違いが確認された項目は「祈る」であり、在日ブラジル人(24.3%) の方が日本人(4.5%)より高かった(p = 0.010)。他の項目では有意な違いはみられなかったものの、避難場所を調べることや防災訓練等への参加率はブラジル人の方が若干高かった。しかしながら、準備行動実行に至らない要因の分析は未となった(投稿予定)。日本人に比べて在日ブラジル人は持ち家や自治会加入率は低かった。交通機関や情報入手、医療について心配する在日ブラジル人は少ないという現状が明らかとなった。日本に在住する目的は「デカセギ」で、地域とのかかわりも希薄であった。在日ブラジル人女性には地域に頼れる人もなく、災害が起こった場合、自分たちの命を守れるのか疑問である。今後は乳幼児を育てる日本人とブラジルを対象に適切な災害・減災教育案を考案し、介入効果を確かめる研究が必要となる。
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