2019 Fiscal Year Annual Research Report
Preventive behavior after receiving risk evaluation by direct-to-consumer genetic tests: simulation study
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16K12335
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
西垣 昌和 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (20466741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 晃洋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70262706)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノムリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに作成したゲノムリテラシー尺度案について、遺伝リテラシー教育経験を有する認定遺伝カウンセラー3名からのエキスパートオピニオンに基づいて内容的妥当性を検討した。エキスパートオピニオンは(1)項目内容と正確性・重複・追加、(2)難易度、(3)測定概念、(4)表現方法、(5)回答時間の5点に整理された。次に、性別・年齢・現在の職業を考慮し機縁的にリクルートした一般市民9名から意見を収集し、表面妥当性を検討した。一般市民からの意見は(1)表現方法、(2)難易度、(3)認知、に整理された。それぞれの検討をもとに、項目を修正し、ゲノムリテラシー尺度とした。 全国の都道府県から人口動態にもとづいて抽出した20代から60代の成人男女1040名を対象に、遺伝子検査ビジネスの受検意図と、生活習慣病リスク判定のシナリオに対する行動変容意図、およびそれらとゲノムリテラシーの関連を検討した。まず、唾液を送ることによって生活習慣病の疾患リスクや太りやすさについて調べることができる遺伝子検査ビジネスの無料モニターの募集があった、というシナリオを提示した。このシナリオに対し、413名(39.7%)が検査を受けると回答し、ゲノムリテラシー尺度得点の低さが受検意図と有意に関連していた。 糖尿病リスク・太りやすさについて,高・中・低それぞれのリスクについて,表現型(BMI高,正常,低)毎に分析したところ,BMIによらず遺伝子検査ビジネスによるリスク判定に沿った行動変容意図を示す傾向がみられた.例えば,高BMI(>25,n=193)群では,リスク判定により低リスクと示された場合,生活習慣の改善が不必要であると答えた対象者が44.6%(n=86)にのぼり,遺伝子検査ビジネスによるリスク判定が健康行動の阻害要因となりうることが示された.
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