2018 Fiscal Year Research-status Report
地域介入実践に活用可能なソーシャルキャピタルの測定/評価指標の開発と可視化
Project/Area Number |
16K12336
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樺山 舞 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50635498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神出 計 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80393239)
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40250196)
安元 佐織 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (60649317)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護予防 / 社会的活動 / 地域保健 / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ソーシャルキャピタルと人々の社会活動が、健康指標とどのように関連するのかを縦断的に明らかにして、地域介入への示唆を得ることを目的としている。当該年度は、超高齢者(90歳代)の社会的・医学的データ収集を郵送および会場調査にて実施した。あわせて、これまでに収集が完了しているデータセットの整理と解析を進めた。分析では、高齢者の社会的活動として、12分類の余暇活動(趣味活動、公的社会活動、学習活動等)・ソーシャルゃキャピタル指標(信頼、互酬性、地域貢献意識等)と高血圧または糖尿病の有無(会場調査での測定結果および服薬状況)、それら疾病管理状況との関連性を明らかとした。分析の結果、高齢者の生活習慣病には社会的要因が関連することが明らかとなった。例えば、70代女性においてはソーシャルキャピタル(社会貢献意識)が高い方が有意に糖尿棒の割合が低い、という結果が認められた。これらの関連性には性差および年代差、また疾病の種類による違いも認められた。さらに、信頼感と社会参加および精神的健康の関連性についての縦断的解析の検討も行った。高齢者の社会参加と信頼感は3年後の精神的健康にポジティブな影響を与えていることが示された。本研究の結果に基づき、地域在住高齢者における対人交流、余暇活動、ソーシャルキャピタルと生活習慣病との関連をさらに詳細に検討することで、地域での高齢者支援制度やシステム構築にさらなる提案ができると考えられた。以上の研究成果は国内外の学会にて発表を行った。今後は継続してデータ分析および論文執筆を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は、おおむね順調に推移しているが、現地調査とデータセットの整理分析、論文執筆において一部遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は収集したデータを分析し、学会等にて進捗成果を報告しながら論文化していく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた追跡調査の実施が、対象フィールドの都合により一部遅れたため、今年度に現地調査を実施する。
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Research Products
(8 results)