2016 Fiscal Year Research-status Report
大震災の風化と豪雨等新たな災害の防止に向けた自治体協働による地域防災モデルの構築
Project/Area Number |
16K12341
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
桂 晶子 宮城大学, 看護学部, 准教授 (00272063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 潤 宮城大学, 看護学部, 准教授 (90347203)
千葉 洋子 宮城大学, 看護学部, 助教 (70757856)
坂東 志乃 (渡邊志乃) 宮城大学, 看護学部, 助教 (60563955)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害看護 / 保健師 / 風水害 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「平成27年9月関東・東北豪雨」(以下、関東・東北豪雨)、および、「東日本大震災」(以下、大震災)の被害を受けた地域をフィールドに定め、関東・東北豪雨における保健師活動について、大震災の経験がどう活かされたのかも含めて検証するとともに、豪雨被害を受けた住民の健康状態を把握する。これらの結果を踏まえ、地域防災モデルを作成し、その有用性を検証することを目的としている。更に、東日本震災の風化防止を図るとともに、多様な災害に対する地域の防災力と公衆衛生看護活動の強化を図り、自助・共助・公助の3側面からの減災と公衆衛生の向上に貢献することをねらいとしている。 そこで平成28年度は、先行研究、既存資料などより関連研究の動向・知見の整理、対象地域の防災活動の状況把握を行った。災害看護に関する研究は、欧米では2001年のアメリカ同時多発テロ以降、わが国では1995年の阪神・淡路大震災以降に論文数が増加し、災害が被災者、支援者の心身に及ぼす影響や、長期的視点での支援の必要性が指摘されていた。しかし、わが国では地震に関わる論文が中心であり、風水害における支援活動に関する知見の蓄積は十分ではなかった。そのため、本研究採択の前年度に企画実施した関東・東北豪雨時の保健師活動に関する研修会資料等を再確認し風水害における保健師活動の課題の精査等を行った。更に、関東・東北豪雨に際し支援活動を行った保健師、豪雨被害を受けた住民を対象とする調査を現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、先行研究の動向・知見の整理、対象地域の防災活動の状況把握、関東・東北豪雨における保健師の支援活動の調査、関東・東北豪雨被害を受けた住民を対象とした調査を計画していた。先行研究の動向・知見の整理、対象地域の状況把握については概ね実施できた。一方、関東・東北豪雨における保健師活動の調査、住民調査についは倫理審査の手続きおよび自治体との調整開始時期の関係等により現在調査を進行している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は現在進行中である関東・東北豪雨における保健師活動の調査、住民調査の成果をまとめ、成果発表の準備を行う。また、地域防災モデルの試案作成に向けて、2つの調査結果から現状と課題を整理する予定である。
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Causes of Carryover |
物品費および人件費において当初の予算支出に至らなかった。物品費についてはノートパソコンとそれに付随するソフトの購入を行わずに研究遂行が可能となったこと、また、調査の分析段階に達していないため人件費に大きく残が生じたことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Microsoft社によるサポートが終了する製品のパソコンが使用不可となったため今年度新たにパソコンの購入を計画している。また、研究成果のまとめにおいて人件費を消化するとともに計画的に予算を支出する。
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