2016 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待発生予防・再発予防支援の看護ネットワークの構築および有効性の検証
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16K12357
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
松田 宣子 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10157323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10216658)
伊東 愛 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (40382270)
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
小坂 素子 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (80353069)
内村 利恵 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80634295)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 児童虐待 / 保健師 / 看護ネットワーク / 再発予防 / 連携 / 児童保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、子ども虐待発生予防や再発予防支援のための看護ネットワーク構築および有効性の検証である。本年度は第1段階の計画である国内外の先行研究の文献検討および有効な子ども虐待発生予防や再発予防支援のためのネットワークに関する情報収集を実施した。まず、国内外の先行研究により、子ども虐待の実態(衛生統計による動向、子ども虐待への施策や地域ネットワークなど)、子ども虐待防止のための医療機関、保健機関および福祉機関との連携・協働やシステム、保健師の虐待支援に関する先行研究を検索し、文献検討をおこなった。まず、医学中央雑誌Web版を用いて、最新の5年間分(2012年から2017年)の原著論文を対象に検索した。キーワードは、「児童虐待」「予防」「連携」「保健師」で、抽出された文献14件のうち、目的に合致しないと判断した文献を除外し、7件の文献を分析対象とした。児童虐待支援として保健師や助産師が他職種・多機関と連携・協働した結果の検討や地域保健と医療機関との連携の在り方の検討や効果に関するものがあった。また国外文献で、特に「International approaches to child protection: What can Australia learn? CFCA(Child Family Community Australia) PAPER NO.23 2014」によると欧米各国でのアローチの方向性が示されていた。オーストラリア,アメリカ,イギリス,カナダ,ニュージーランドでは児童保護重視であり、ヨーロッパ諸国(デンマーク,ベルギー,スウェーデンなど)では家族支援・サービス重視されていた。このように欧米各国によりアプローチの方向性は両極的に捉えられることも多い。 次に、現在、有効である子ども虐待発生予防や再発予防支援のための看護ネットワークに関する情報収集を兵庫県下市町村の保健師よりおこなった。今後本格的な調査を実施するために研究計画を立案し、倫理委員会に申請する準備までおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者との会議は5回も開催でき、研究の推進、充実に有効であった。また、研究における分担も明確であり、各自が行ってきた文献検討や有効な子ども虐待予防、再発防止支援の現状の情報収集について情報交換、討議ができ、第1段階の研究計画が概ね実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
第2段階および第3段階の実施である。 第2段階:平成22年度~24年度に取り組んだ科学研究補助金基盤研究C「ハイリスク児の虐待予防への保健師が行う関係機関との連携・調整の有効な方法の開発」では、事例検討会や合同会議の開催など医療機関と地域保健との「顔の見えるつながり」により有効な連携が行われていたので、その成果を活用する。それと同時に今回の看護ネットワーク構築のためには、保健所・市町村保健師が病院看護師・助産師に対して子ども虐待予防・再発予防に向けての連携時に必要な情報や連携方法および連携での困難な事柄,子ども虐待への発見および支援などのスキルなどの状況把握のための調査が必要であり、研究分担者とともに調査票の作成および調査を実施する。 課題として、医療機関と地域保健とうまくネットワークしている調査対象を見つけ、研究協力を得ることが難しいことが予測される。
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Causes of Carryover |
今年度は、研究方法が文献検討および情報収集であり、研究旅費など調査などの研究活動がなく、研究分担者の3名が分担金を使用しなかったこと(2名10万円、1名5万円)が理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、本格的に研究活動が始まるため、研究分担者も分担金を調査旅費などに使用する予定である。
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