2016 Fiscal Year Research-status Report
これからの国際的感染症に備える~グローバル人材の健康と発生時危機管理体制の構築~
Project/Area Number |
16K12360
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
三橋 睦子 久留米大学, 医学部, 教授 (50289500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 祐佳 久留米大学, 医学部, 講師 (40368965)
立石 麻梨子 久留米大学, 医学部, 助教 (40750154)
津村 直幹 久留米大学, 医学部, 講師 (50227469)
大坪 靖直 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60223880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感染症防護具 / グローバル感染症 / 疲労感 / 身体・生理的反応 / 心理的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】2014年の西アフリカでのエボラウイルス病の大流行では世界中で一万人以上が死亡し、看護師など医療従事者の感染と言う深刻な問題が発生している。交通機関の発達によりグローバル感染症への危機管理が一層重要になるなか、新たな一類感染症用個人防護具の着脱手順が公表されたが、その手順のエビデンスとなる報告は見当たらない。 【目的】今回WHOとCDCが提唱する手順を基に2つの防護具着脱手順を考案し、皮膚への汚染と身体・心理面への影響について調査を進めるためのパイロットスタディーとして実験的調査を行った。 【方法】着用法は2つの手順ともに指示兼観察者(以下介助者)を設け、①WHO変法はフェイスシールドをヘッドカバーの内側に装着、CDC変法は外側に装着、②WHO変法はつなぎスーツと手袋を別々に外し、CDC変法は一緒に外す、③WHO変法は袖なしエプロン、CDC変法は長袖エプロンを使用するという点が異なる。 【結果】対象は看護大学生18名で、男性2名、女性16名、年齢は20.1±1.4歳。室温22.2±0.8℃、湿度54.3±5.6%。CDC変法とWHO変法の防護具着脱後の皮膚汚染は0.3(-0.4~1.0)個と少なく、差はなかった。生体反応の変化は、ともに生理的反応の範囲内であった。着衣により深部温・表面温、心拍数は共に上昇し、防護具による保温効果を認めた。表面温においては、CDC変法の方が上昇しやすい傾向を認め、エプロンの被服面積の影響が推察され、低下を予測していた酸素飽和度は変化がなかった。心理面では、POMSの「疲労」「怒り‐敵意」の得点がWHO変法で高く、フードカバー内の気密性の影響が推察された。今後は、対象を看護師とし、各防護具の影響を客観的に評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パイロットスタディーとして看護学生を対象として2つの着脱法について検討したが、防護具毎の身体・心理・作業・疲労感等への影響について丁寧に分析する必要があり、専門職である看護師30名程度を対象とした実験に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の3つのテーマの1つである、安全なエボラ用PPE着脱法の検証をし安全の基準を提案するために、防護具毎に身体・心理・作業能率、疲労度、ストレス等への影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は本学科学生16名を対象としたパイロットスタディーであり、看護師30名程度を対象とした実験ができていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
信頼性を担保するために、対象を専門職として増員し、各防護具毎の身体、心理、作業能率、疲労感、ストレス等への影響の調査を計画しており、繰越金を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)