2019 Fiscal Year Research-status Report
これからの国際的感染症に備える~グローバル人材の健康と発生時危機管理体制の構築~
Project/Area Number |
16K12360
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
三橋 睦子 久留米大学, 医学部, 教授 (50289500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 祐佳 久留米大学, 医学部, 准教授 (40368965)
立石 麻梨子 久留米大学, 医学部, 助教 (40750154)
津村 直幹 久留米大学, 医学部, 講師 (50227469)
大坪 靖直 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60223880)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | グローバル感染症 / 新興感染症 / 危機管理体制 / 個人防護具 / 身体・生理的反応 / 心理的影響 / 疲労感 |
Outline of Annual Research Achievements |
【実施計画】エボラ或いは未知の新興感染症(グローバル感染症)を想定したPPEの着脱訓練、および教育体制を実施し、医療者のより安全で健康に留意した活動体制の提案を行う計画でした。具体的計画立案に際し、実際にエボラ対応で現地にて活動された方に、労働条件、環境、健康管理についてヒアリングを行い、実験条件を立案する予定でした。ところが、COVID-19 感染拡大に伴い、ヒアリングの機会を逸してしまい、また、病院や行政への協力要請があり、PPE(個人防護具)の提供および、病院での感染制御活動の協力、軽症者入所施設(ホテル)での支援活動の為、実施することができなくなりました。現在、フルPPEやN95マスク、感染防護具も入手困難な状況ですが、是非物品を揃えて、実験を企画し、看護師等の協力が得られる段階で実施する予定です。新たな感染防護具についても、効果および健康被害について調査する予定です。また、PPEの身体への影響に加えて、労働時間としての体制にコミットできる実験計画を加えることを計画中です。 【実施した内容】発災後のボランティア活動における健康被害に着目し、ヒアリングを行い、質的内容分析を行い、原因と対策を検討しました。結果、身体的問題では外傷、熱中症や過労による体調不良が過半数、精神的問題では、メンタルヘルスの変調や不安が半数の人に認められました。結論として、災害の激震化に伴い、災害ボランティアの活動環境は、劣悪となっているにもかかわらず、適切な支援を受けていない等、不十分な健康管理支援体制が推測されました。そのため、こうした対象への支援体制の充実と教育支援の必要性が示唆されました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年継続して自然災害に見舞われ、かつてない過酷な被災地の状況で、新たにボランティアにおける健康問題(感染症)が注目されたため、ボランティア活動の実践及び調査について実施している。しかし、主たる昨年度研究実施予定のエボラ・一類防護具の着脱訓練及び教育体制の企画・実施については、実験道具としてのPPE(感染防護具)を医療の現場に提供し、研究が実施できる環境にない。また、人的にも、医療の感染症専従看護師あるいは看護師等の協力を依頼する必要があるが、現在に至っても厳しい医療現場で、いまだ依頼できる環境になく実施できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
〇研究を遂行する上での課題は、コロナ禍で、本研究の物品や研究機材、対象への協力を得られるようにできるかということになる。対応策はあくまでCOVID-19の収束が目処になるが、6月より大学病院でのフェーズも0に落とされ、防護具も少しずつ市中に販売されるようになってきている為、可能な時期に物品を確保し、実験環境を整えたいと考える。 〇教育支援体制については、医療関係、介護福祉関係、在宅関係等、場所に応じて必要性の情報や技術が異なると想定されるため、コロナ禍での実情を調査し、それぞれに必要性の高いものを洗い出し、実施計画を行う必要がある。ただし、これについても、市中のCOVID-19が一定程度安定している必要がある。
|
Causes of Carryover |
【理由】今年度8月豪雨災害による支援活動にて多忙の為、研究が遅れていました。さらに、COVID-19の感染拡大のため、病院での感染制御活動の支援や、軽症者入所施設(ホテル)の支援活動の為多忙となり、また実験の必要物品であるフルPPEやN95マスクを医療・行政に提供したことで、実施できなくなりました。これらの物品は、現在も入手困難な状況が継続しています。 【使用計画】実際の対応についてのヒアリングの為に、交通費として使用。実験に必要なフルPPEやN95マスクなどの購入および、実験に協力頂く対象(看護師)への謝金等が必要になります。また、新たな防護具が開発されており、その効果、健康被害などについて調査する必要があるため、防護具の購入に使用します。
|
Research Products
(3 results)