2018 Fiscal Year Research-status Report
新人保健師の自己成長感獲得を目指した実用重視型プリセプターシッププログラムの開発
Project/Area Number |
16K12361
|
Research Institution | Fukuoka jogakuin Nursing College |
Principal Investigator |
山田 小織 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (60369080)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越田 美穂子 富山県立大学, その他部局等, 教授 (30346639)
守田 孝恵 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00321860)
松尾 和枝 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (90190404)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 保健師 / 現任教育 / プリセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、行政に配属される地域保健専門職には、専門的な知識・技術のみならず、幅広い能力が求められ、大きな期待が寄せられている。地域保健専門職の入職1年目の経験は、その後のキャリア形成において重要な意味をもつことから、その経験をリフレクションし、自己の活動と成長を確認する機会をもつことが必要である。そこで今回、入職1年目の地域保健専門職を対象としたスタートブックを検討した。 スタートブックは、以下に示すステップで検討した。ステップ1として、先行研究によりスタートブックの前半部分となる『スタートガイド』の構成要素を研究者間で検討した。ステップ2として、A市の地域保健専門職6名を対象として、2016年11月~2017年1月に半構成的面接調査を実施し、ステップ1の結果を再確認するとともに、スタートブックの後半部分となる『ポートフォリオ』の構成要素および記載量について検討した。ステップ3として、2018年1月~3月に専門職の人材育成専門家から全体の校正に関してスーパーバイズを受けた。 前半部分の『スタートガイド』は、「社会人基礎力」「プロ意識」「組織」「キャリアデザイン」「入職1年目のプロセス」の5項目からなる【社会人に求められる能力】と、「礼儀・マナー」「マネジメントサイクル」「報告・連絡・相談」「ネットワーク」の4項目からなる【効果的に仕事をすすめる能力】で構成することになった。 後半部分の『ポートフォリオ』は、「月別記録シート」「自己研鑽シート」「ネットワークシート」「カンファレンスシート」の4つで構成することになった。 これらのスタートブックについては、希望する施設に配布し、活用経過をモニタリング中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象機関から協力を受け、新人保健師の現任教育で活用できるスタートブックを作成することができた。また、これらを学会で公表し、希望する施設にも配布することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
地域保健専門職に対する新任期教育は、所属先の方針に委ねられており、十分整備されていない状況にある。今回作成したスタートブックの『スタートガイド』は、地域保健専門職の入職1年目の共通課題を掲載していることからオリエンテーションや研修において活用可能であり、『ポートフォリオ』は、指導者・上司とのコミュニケーションツールとなると考える。しかし今後、これらが有効に現場で活用される為には、使用目的と方法、閲覧範囲等を明確にすることが必要である。 スタートブックを活用した施設の管理職および新人保健師とプリセプターを対象とした新たな調査に取り組むことが今後の課題である。 また、モニタリングとしてスタートブックに追加すべき情報を確認することができた為、2019年度にスタートブック改訂版を作成する。
|
Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】計画していた学会へ参加することができなかった為、旅費の支出が少なかった。また、質問紙調査を計画していたが、先行研究等からも実態を把握することができた為、調査を実施しなかった為、物品費やその他(郵送費)の支出が計画よりも少なかった。 【使用計画】旅費を使用し、学会に参加し、研究の中間報告を実施するとともに、研修会等にも参加し、現任教育の実態を把握する。物品費や人件費を使用し、研究において作成した(冊子)を改訂、増刷する。
|