2018 Fiscal Year Research-status Report
多重世界モデルに基づきプライバシを保護するオペレーティングシステム
Project/Area Number |
16K12410
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新城 靖 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00253948)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報工学 / 計算機システム / オペレーティングシステム / 仮想化技術 / 個人情報保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カジュアル利用者(コンピュータに不慣れな利用者)にも簡単に利用できるプライバシを保護するオペレーティング システムを実現すること である。そのために、申請者が考案した「多重世界モデル」をもちいる。これは、SF (Science Fiction) の パラレルワールドを、OS レベルで実現するもので ある。 本研究では、多重世界モデルを用いて、「双子の研究」を行う。双子の研究とは、氏名や生年月日等の個人情報をわずかに変化させ た類似の実行環境 でプログラムを動作させ、その差を調べることである。これにより、プライバシ情報を含むファイルや通信を特定し 削除するツールを作成する。 平成30年度には、Docker コンテナを用いて実現した実行環境「双子の環境」と、その中で動作する「双子のブラウザ」を評価した。具体的には、ユーザトラッキングを行っている代表的な Web サイトとして google.com や youtube.com を選び、に双子のブラウザでアクセスし、提案手法により、ユーザトラッキングを行っていることを検出できることがわかった。また、Webブラウザ以外に、メールリーダ Thunderbird やオフィスツール LibreOffice についても同様の実験を行い、提案手法が有効であることを確認した。 平成30年度には、複数のコンテナでブラウザを実行し、ドメイン名により自動的にコンテナを切り替える仕組みを評価した。検索サイト google.com、SNS サイト Facebook、および、ある利用者が所属する組織(筑波大学)を用いて、環境が有用性のある速度で自動的に切り替わることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果を国内のシンポジウムで発表したが、評価で用いた Web サイトやアプリケーションが国際会議レベルには不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに詳細な評価を行い、国際会議で発表する。
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Causes of Carryover |
研究成果を国内のシンポジウムで発表したが、評価で用いた Web サイトやアプリケーションが国際会議レベルには不十分である。次年度に発売される高性能の製品を購入して実験装置を構築し、さらに詳細な評価を行い、国際会議で発表する。
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Research Products
(3 results)