2016 Fiscal Year Research-status Report
重畳符号化伝送による全光ネットワークの高効率化に関する研究
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16K12420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣田 悠介 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20533136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 尚 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90201201)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フォトニックネットワーク / ネットワーク / ルーティング制御 / 静的設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成28年度は、方式全体の方向性を決めるための基礎を固める時期として、まず類似研究の有無、光ネットワークに限らず無線を中心とした重畳符号化の研究動向調査を実施し、全光ネットワークへの適用可能性について検討を行った。また、最終的な提案アルゴリズムの評価などに向けて、静的なトラヒックモデルを対象として光パスの重畳による周波数資源節約効果がどの程度得られるのかを評価するための性能評価用シミュレータを開発した。この性能評価用シミュレータは、次年度以降も活用するものである。より具体的には、重畳が可能な組み合わせを各送受信ノードに対して求めるモデルを作成し、静的設計問題としてランダムな順番あるいはホップ数の大きい順番で光パスを割り当てていく単純なモデルでの評価を実施した。その結果、メッシュである日本型トポロジにおいても重畳による周波数資源節約効果が得られることを確認した。一方で、ランダムな順番で光パスを割り当てた場合、割当時に当該光パスを重畳可能な光パスが存在する確率が大幅に減少することを確認した。これらの結果より、可能であればホップ数を大きな光パスから順に設定し、重畳可能な光パスが存在する確率を高くするアルゴリズムが重要であると言える。重畳可能な光パスが多く存在する場合、比較的単純な光パス割当手法であっても、トラヒックの収容効率の向上、及び、それに伴う棄却率の低減効果を確認することができた。なお、これらの成果は、電子情報通信学会フォトニックネットワーク研究会にて報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、最新の重畳符号化に関する研究開発動向を調査するとともに、評価用のシミュレータの作成し、静的なトラヒックモデルにおける性能評価を主な課題として取り組む予定であった。評価用基礎シミュレータを作成し、静的トラヒックモデルにおいて提案方式が有効である適用領域を明らかにした。これらのことから、概ね予定通りに進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、初年度に引き続き関連研究のサーベイ・動向調査を継続するとともに、時々刻々と変化するトラヒック環境下において各光パスに動的に周波数資源を割り当てる動的資源割当アルゴリズムの開発を行う。平成28年度の成果より、各光パス設定要求に対してオンデマンドで動的に割り当てる場合、割当可能な候補が減ることによる重畳化効果の減少が予想される。そのため、単純に既存の光パスへの重畳だけでなく、重畳することがネットワーク制御の観点から効率的かどうかを判断するアルゴリズムも含めて、動的環境における周波数資源割当アルゴリズムの検討、及び、シミュレータの改良・評価を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)