2016 Fiscal Year Research-status Report
IEEE802.11に基づいた高速かつ高信頼な無線メッシュ網アーキテクチャの開発
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16K12422
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉廣 卓哉 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (80362862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネットワーク / 高信頼性ネットワーク / 情報通信工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,提案するスケジューリングアルゴリズムを著名な国際会議にて発表した.その上で,本方式を次のように拡張し,改善した. (A)経路制御プロトコルに組み込み可能なスケジューリングアルゴリズムの設計に関しては,網羅的な探索を行わない貪欲法に基づいたスケジューリングアルゴリズムを設計し,評価した.提案手法は,スケジューリング問題を,ネットワークの媒介中心性に基づいてトポロジを限定する部分と,得られたトポロジにおいて彩色問題に基づいて各リンクにスロットを割り当てる部分の2つに分ける.ネットワークにおける媒介中心性に基づいてスケジューリングを行うことにより,短時間で,MAX-SATの結果と比較的近い精度の解を得られるスケジューリングが可能であることが示された.一方で,彩色問題に基づいたスロット割り当ての部分の精度に課題があり,改善可能性があることが示された. (B)隠れ端末推定アルゴリズムの開発に関しては,高速リンクを用いる場合に自律分散環境において隠れ端末を推定する手法として,IEEE802.11において低速通信で行われるビーコンの観測に基づいた手法を設計した.ビーコン観測に基づいて通信が互いに干渉し得るノードペアを求め,これを経路制御プロトコルによりネットワーク全体に広告することで,ネットワーク上の全てのノードが,各自でスケジューリング,及び最短経路計算を行うことができる.格子トポロジで評価を行った結果,ビーコンに基づいて干渉を推定し,スケジューリングを行うことは,高速通信において良好な性能を得ることができる可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案時に設定した2テーマについて,それぞれ概ね良好な結果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
(A)に関しては,媒介中心性を用いる方向性については良好な結果が得られているが,スケジューリングが実用的には衝突ゼロの状態を求めることに対して,提案アルゴリズムは,部分MAX-SATに基づいた網羅的探索に比べて少し性能が低いことは明らかである.この問題が,彩色問題に基づいたステップに依存することが明らかになっているため,次年度にはこのステップを改善することにより,部分MAX-SATによる方法に迫る性能を持つアルゴリズムの開発を目指す. (B)に関しては,通信シミュレーションによる評価を行ったが,評価トポロジが限定的であるため,信頼性のある結果に至っていない.まずはこの点を改善し,評価を充実した上で,成果を対外発表する.また,現在はスケジューリング後の結果の評価にとどまるが,実際に経路制御プロトコルとして実行させ,動的環境で評価を行うことが望ましい.このため,提案手法の経路制御プロトコルへの組み込みを設計することを次年度の課題の一つに挙げる.
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Research Products
(2 results)