2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片桐 孝洋 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (40345434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 武史 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00339615)
尾崎 克久 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (90434282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高精度行列-行列積 / 分散並列化 / 反復改良 / ベンチマーク / 精度保証 / スレッド並列化 / 疎行列化 / PBLAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の実績が達成できた。 (1)高精度行列-行列積(HP_GEMM)実装方式と性能評価:HP_GEMMについて、最先端のスーパーコンピュータFX100において基本的な性能を評価した。また、HP_GEMM中の行列が疎行列化する場合に、高速化のために疎行列化して塩酸する実装方式に関して、疎行列データ構造の1つであるELL方式を利用した新規の実装方式を開発した。 (2)HP_GEMMのアルゴリズムの検討:高精度な行列・行列積について、目標となる精度を設定し、それを厳密に達成するアルゴリズムについて検討を行った。提案する手法は分散処理の数値計算ライブラリPBLASにおいて、特にPDGEMMルーチンに大きく依存するために、高速・高並列化効率が期待される。また、倍精度よりも少々高い精度に特化された高精度計算法のプログラムを分散メモリ環境用に試作した。 (3)ベンチマーク方式の検討:精度保証付き数値計算の観点に基づくベンチマークを設計するため、線形問題について高性能計算環境に適用可能な高精度計算法を開発した。この方法は、 反復改良法をベースとしており、問題の難しさに応じて適応的に計算精度を変化させ、最終的な結果精度を達成するためのものである。また、計算精度を変化させて線形計算を実行するためには、行列ベクトル積、 ベクトルの内積の計算について高精度化が必要であり、これを高性能計算環境で達成するためのアルゴリズムを内積計算ベースで試作し、次年度に向けての準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標については、実際の最新スーパーコンピュータを用いて以下の研究を行うことであった:(1)高精度行列-行列積(HP_GEMM)実装方式と性能評価、(2)HP_GEMMのアルゴリズムの検討、(3)ベンチマーク方式の検討。この全項目において、全てを達成できたため、進捗はおおむね順調と考える。 一方、次の項目については、本年度中の検討ができなかった:(1)ハイブリッドMPI/OpenMPの新方式の検討、(2)通信削減方式の検討、(3)自動チューニングの適用。しかしこれらの項目は、来年度の研究課題とすることで、ほぼ計画通りの研究遂行が可能となると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況に示した、本年度中の検討ができなかった事項である、以下を中心に研究を進める。(1)ハイブリッドMPI/OpenMPの新方式の検討、(2)通信削減方式の検討、(3)自動チューニングの適用。
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Research Products
(4 results)