2016 Fiscal Year Research-status Report
顔面微小特徴点セットの3次元配置構造に基づく個人識別
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16K12453
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福井 和広 筑波大学, システム情報系, 教授 (40375423)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 個人認証 / 顔面特徴点 / 形状部分空間 / 分離度フィルタ / 動画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ホクロやシミといった顔面の微小特徴点セットの3次元構造類似度をベースに,各特徴点近傍の局所情報まで考慮した個人識別法を提案し,試作アルゴリズムの動作検証を通してその有効性を確認した. 試作アルゴリズムは,1) 円形分離度フィルタにより得られる分離度マップ+KL追跡法による顔特徴点の高精度かつ安定な検出,追跡,2) 比較する2つの特徴点セット間におけるICP法を用いた対応点マッチングと点順の並び替え, 3) 2つの部分空間の成す複数正準角に基づく構造類似度と各特徴点の局所情報の両方を考慮した識別処理,から構成されている.
処理 1)において,検出される毛穴まで含めた膨大な特徴点を全て用いると,特徴点の並び替えや正準角算出の計算量が増大してしまう.これを回避するために,円形分離度フィルタが出力する分離度値が高い特徴点を優先的に選択するアルゴリズムを検討した.処理 3)において,分離度は特徴点近傍の局所情報を反映しているので,特徴点ペアにおいて2つの分離度が近い程,正しく対応付けられていると判断できる.そこで対応ペアの分離度の相違度を構造類似度に加味することで,より信頼度の高い識別を実現した.この際,分離度の相違度をどの程度反映させるかを制御するための重み係数を導入し,より柔軟な識別を実現とした.
提案法の有効性を確認するために次の評価実験を行なった. 1) 追跡に濃淡画像と分離度マップを用いる2つの場合で識別性能の比較を行い,分離度マップを用いることで特徴点追跡の安定性が向上することを確認した.2) 顔特徴点を選択する基準として,最初のフレームでの分離度のみに基づく方法と,一定期間フレームの平均分離度に基づく方法の性能比較を行い,後者がより安定な特徴点を選択できることを確認した.3) 最適な重みを用いて特徴点の局所情報を加えることで識別性能が向上することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アルゴリズム試作および動作検証については,当初の予定通り順調に進展している.研究成果の発表については,有効性の議論をよりクリアにするために評価項目・条件の追加が必要と判断し,当初予定していた学会への投稿を見送り,来年度へ持ち越しとした.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度に持ち越しとなった学会発表に向けて準備を進めるとともに,予定されている各研究項目を着実に実施する.来年度の課題として,1) 直交相互部分空間法(OMSM) ,制約相互部分空間法(CMSM) やグラスマン判別分析(GDA)などの導入による識別性能の向上,2) 処理の高速化のために使用する特徴点数の削減法の検討,3) 多様な環境を想定した総合大規模評価の実施を考えている.
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Causes of Carryover |
成果発表を来年度へ持ち越したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表に掛かる費用に使用する.
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