2016 Fiscal Year Research-status Report
導電性インクで印刷可能なROMとこれに基づく紙状のコントローラ
Project/Area Number |
16K12467
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志築 文太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20323280)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タッチインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「導電性インクで印刷可能なROM(read only memory)」の研究開発、およびその適用先である「ユーザ自身がタスク毎に作成可能な紙状のコントローラ」の実現である。この導電性インクで印刷可能なROMは、紙に、家庭用インクジェットプリンタで印刷可能なROMであり、ROMに記憶されているデータが、ROMに繋がった計算機へ入力されるという特徴を持つ。本研究では、このROMにいかに多くの記憶容量を持たせられるかに挑戦する。この目的に対して平成28年度は「ユーザ自身がタスク毎に作成可能な紙状のコントローラ」(以降、紙コン)専用バインダを作成することとしていたが、これを試験開発した。作成した専用バインダは紙コンを挟むためのバネ蝶番を有す。バネ蝶番の紙コンとの接触部分には電極を複数個有し、これらを通じて紙コンの識別、紙コン上のボタンへのタッチの検出、および紙コン上のROMからの読み込み等の処理を行う。また、専用バインダには、マイコンを内蔵する制御部も持たせた。この制御部に内蔵されたマイコンは、ユーザへの通知用LCDモジュール、および家電の制御用赤外線パタンを発信するための赤外線LEDも駆動する。赤外線LEDは、室内の広い範囲に位置する家電を制御可能とするために、制御部の前面と上面に複数個取り付けた。また、次年度に実施予定である「メモリを紙上に形成する技術の開発」の準備として、導電性インクを用いて紙上に印刷した電極の特性調査を行った。特に人が電極に触れる場合と電極に近接させる場合とでどのように電極に応答が現れるかを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に計画してた「ユーザ自身がタスク毎に作成可能な紙状のコントローラ」専用バインダを作成することとしていたが、これを試験開発したことに加えて、次年度に実施予定の「メモリを紙上に形成する技術」に必要な調査として、導電性インクを用いて紙上に印刷した電極の特性調査を行った。特に人が電極に触れる場合と電極に近接させる場合とでどのように電極に応答が現れるかを調査した。またその結果を外部発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に推移していることから、調書に記載した計画に基づいて研究を進める。すなわち、平成29年度には家電の制御用赤外線パタンを紙コン自体に記録することを適用先として、メモリを紙上に形成する技術を開発する。また、平成30年度にはタッチインタフェースや電子回路等のハードウェアおよびコンピュータの専門知識を持たないユーザも紙コンを作れるようなエディタを作る。また本手法によるROMの記憶容量を上げられるかどうかも試みる。
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