2017 Fiscal Year Research-status Report
導電性インクで印刷可能なROMとこれに基づく紙状のコントローラ
Project/Area Number |
16K12467
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志築 文太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20323280)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タッチインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「導電性インクで印刷可能なROM(read only memory)」の研究開発、およびその適用先である「ユーザ自身がタスク毎に作成可能な紙状のコントローラ」(以降、紙コン)の実現である。この導電性インクで印刷可能なROMは、紙に、家庭用インクジェットプリンタで印刷可能なROMであり、ROMに記憶されているデータが、ROMに繋がった計算機へ入力されるという特徴を持つ。本研究では、このROMにいかに多くの記憶容量を持たせられるかに挑戦する。
この目的に対して平成29年度は家電の制御用赤外線パタンを紙コン自体に記録することを適用先として、メモリを紙上に形成する技術を開発することとしていた。このメモリは導電性インクを用いて紙上に印刷することが可能であるという特徴を有する。具体的には、紙コン上の配線パタンの太さ、密度等を変えながら、本手法によるROMの記憶容量がどの程度上げられるか実験を通じて調査した。また、エラー訂正符号を付与することによって、本手法によるROMの記憶容量がどの程度上げられるかも検討することとしていたが、これについてはエラー訂正符号を付与するという方式に加えて、動的計画法に基づくアルゴリズム(例えばビタビアルゴリズム)に基づく推定方法も併せて検討した。両者は独立しても使える手法でもあり、組み合わせて使えるというメリットも持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画してた項目を実際に行うことができたことに加えて、さらにハードウェアに詳しい研究者との議論を通じて、当初に計画していなかったアルゴリズムを追加することによって提案手法の性能を上げられる可能性を見出せたことは大きな進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に推移していることから、これまでに実施してきた研究項目をさらに進めると共に、調書に記載した計画に基づいて研究を進める。すなわち、平成30年度にはタッチインタフェースや電子回路等のハードウェアおよびコンピュータの専門知識を持たないユーザも紙コンを作れるようなエディタを作る。このエディタは、図形描画ソフトウェアを簡略化した図形描画機能を持ち、図形描画ソフトウェアと同様の操作感でユーザが紙コンを設計できるものとする。研究室内での評価に加えて、研究室外から実験協力者を募り、被験者実験を通じてエディタの使い勝手を評価する。また、その結果に基づいて改良を試みる。
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