2017 Fiscal Year Research-status Report
カメラ内蔵ボールを用いた擬似直進映像合成に関する研究
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16K12473
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 英樹 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (70234664)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イメージスティッチング / 全天球動画 / ボールカメラ / 疑似直進映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,カメラ内蔵ボールのプロトタイプ2号の作成と疑似直進映像の合成を行った. 平成28年度に当初予定していた6台のカメラによる全天球イメージスティッチングに代わり,小型の全天周カメラ(CASIO EX-FR200)2台を使用することで,全天球映像の合成の手間が軽減された.ただし,カメラのフレームレートが最大30fpsであったため,回転が高速になるとモーションブラーが発生し,特徴点抽出に失敗する場合があった.これに対し,平成29年度は1台のNikon KeyMission360を使用することで240fpsでの動画撮影が可能となり,より正確な特徴点抽出が行えた.結果として野球のボールのように回転速度が速い場合でも,比較的安定して疑似直進映像を合成することができた.第2に,昨年度までの手法では,一度特徴点抽出に失敗すると,その後の合成映像が全て生成できなかった.そこで,アルゴリズムを検討し直し,特徴点抽出に失敗した場合でも,再度特徴点が抽出できた場合にはそこから再び映像合成を実行することができるようになった. さらに,画像処理だけに頼らず,小型加速度センサを使用しカメラ回転角の正確な計測を試みた.ただし,使用した加速度センサ単体ではセンサデータのドリフトが大きいため,カルマンフィルタを適用してノイズの除去を行っているが,まだ姿勢データが不安定である.より精度の高い加速度センサの導入を検討すると同時に,カルマンフィルタによる位置・姿勢情報のさらなる安定化を行う. なお,本研究の成果は,日本バーチャルリアリティ学会論文誌にフルペーパーとして再録された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
安定した疑似直進映像が合成され,いくつかの球技に適用された.また,日本バーチャルリアリティ学会論文誌に論文が再録された.
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Strategy for Future Research Activity |
合成映像のさらなる安定化を追求するため,引き続き小型加速度センサとのセンサフュージョンを行う.ボール製作会社との共同開発も交渉中である.また,本手法をボール以外への応用を検討している.具体的には,カプセル型内視鏡映像への適用を考慮中で,現在,内視鏡専門医との打ち合わせを行っている.
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Causes of Carryover |
ボール内蔵カメラの故障を想定し,代替機の購入を計上していたが,故障しなかった.また,昨年度は本研究成果による海外出張がなかった.本年度は, PC,カメラ,センサの購入にあてるとともに,対外発表に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)