2016 Fiscal Year Research-status Report
大画面の光学重畳表示を実現する能動走査スクリーンによる3D投影技術の研究
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16K12475
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
圓道 知博 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (70397470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
拡張現実感/複合現実感(AR/MR)において、現実空間にCGやテキスト情報を重畳して表示することは最も重要な要素技術の一つと言える。AR/MRにおいては、単にCGを重畳して表示するだけでなく奥行きを正しく定位させることが重要であるため、3D表示は必須と考えられるが、現在利用可能な方法はシースルーHMDやスマートフォン等でカメラ画像とCGを重畳して表示する方法、もしくは2D画面をハーフミラーに映して重ねる方法などに限られており、大型の3D映像を現実空間に重畳表示し、それを多人数で見られる方式はほとんど存在しない。本研究ではこれを実現する新しい投影式3D表示技術を提案する。投影スクリーンとしてハーフミラーのように光線を一定割合で透過および反射する表面を考え、現実空間からの光を透過光、プロジェクタからの光を反射光として重畳表示を実現する。反射光の方向は入射方向と反射面の向きによって決まるため、面方向を周期的に変化させることで1台のプロジェクタからの反射光線を様々な方向に走査する。これに同期してプロジェクタの投影画像を高速で切り替えることにより、時分割で光線方向によって異なる色の光を射出し、3D表示を実現する。平成28年度は現実空間からの光の一部を透過しプロジェクタからの一部を反射させるスクリーンとして金属ワイヤのアレイによる構造を提案し、またこのスクリーンを垂直方向に長い帯状の複数領域に分割し、それぞれを面方向を振動させることで重畳表示可能な投影型3Dディスプレイを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り高速プロジェクタと能動走査スクリーンによる重畳型3Dディスプレイを試作し、実際に3D表示を実現して原理を実証したため。
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Strategy for Future Research Activity |
振動や画質の改善に向けて、能動走査スクリーンの構造についての検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度に開発する予定の装置に多額の費用が見込まれるため、本年度は計算機シミュレーションを活用し実験の一部を代替することなどで、支出の抑制に努めたため。また必要な実験用機材等を既存の装置の活用と他経費で購入した装置を共用することでまかなうことが出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
能動走査スクリーンの構造を改善した新しいディスプレイ装置の開発費と、得られた成果を国際会議で発表する際の旅費に使用する予定である。
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