2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of an Unobservable Authentication Method - Utilization of Personal Difference between Optical and Visual Axes of the Eye -
Project/Area Number |
16K12483
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 倫也 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60347606)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長松 隆 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80314251)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ヒューマンコンピュータインタラクション / 視線インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人がどこを見ているかは、外部から正確には観測できない、つまり光軸(人の眼球の形状の中心軸)と視軸(人の注視点に基づく軸)にκ角と呼ばれるズレがあり個人差が大きいという性質を活用した、新しい認証技術の確立に挑戦している。 具体的には、1.個人パラメータの抽出、2.プロトタイプの試作、3.インタラクション方式の開発を行っている。 1.については、κ角を計測する実験を、実験協力者100人の規模で実施した。この結果、認証に使うには上下方向に約10度、左右方向に約20度ほどの、個人情報として十分な分布を有することを明らかにした。この分布により、実用上は、他人受入率が10%程度になると考えられる。また、κ角は、平均すると、鼻よりに約2度、下よりに約5度で、キャリブレーションフリーの視線計測装置等の平均値として利用できることを明らかにした。 2.については、ATMを想定したプロトタイプを開発した。また、イノベーションジャパン2016において開発したシステムのデモ展示を行い、来場者に対して研究成果をアピールした。 3.については、個人認証システムにおいて、認証サーバから入力端末に画像を転送し、その画像を見ている際の光軸と、認証サーバ内に保存されているκ角を利用することで、認証サーバ内のみで注視点を復元する、という手法を提案した。この際、κ角だけでなくPINコードも入力することで、実用的なシステムに開発できることも提案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね応募時の研究計画に沿った形で研究が進んでいるため(2)を選択した。以下は、研究実績の概要において述べた項目毎の進捗である。 1.の個人パラメータの抽出においては、まずは認証技術として使える個人情報であるこをと示すことができた。個人内でその他のパラメータをどのように利用できるかなど、さらに検討すべき課題が残されている。 2.のプロトタイプについては、システムの使用体験ができるプロトタイプを優先して開発できた。一方、タブレット端末を想定したシステム開発はやや遅れている。 3.のインタラクション方式の開発においては、研究計画を記載した際には気づいていなかったアイデアを盛り込み、実用的な提案を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の課題として、上述の1.~3.に取り組むとともに、利用状況に応じた認証方式の開発や、安全性の評価手法の開発を上げている。 特に、1.においては、他のパラメータを抽出する際に、計測精度の向上と、それに基づく評価の必要があると考えており、慎重に研究を進める予定である。 一方で、認証方式の開発においては、個人情報を入力する端末の側ではκ角の情報そのものを入力する必要がないという点を活かして、2.のプロトタイプの開発を合わせて、具体的な応用場面を示していければと考えている。
|
Causes of Carryover |
遠隔会議等で、予定していた出張に行く必要がなくなったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費、旅費等で使用する
|