2018 Fiscal Year Annual Research Report
Introduction of a branching facility into large-scale agent simulation
Project/Area Number |
16K12488
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鎌田 十三郎 神戸大学, システム情報学研究科, 講師 (20304131)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会事象シミュレーション / 並列シミュレーション / 分枝実行 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、まず分散集合ライブラリについては、その高機能化をはかり、集合自体の複製機能および要素の再配置機能の充実を進めた。現状、複製機構はプロトタイプにとどまっているが、要素再配置機能などは、2019年4月から公開を開始している(CassiaX10lib: https://github.com/handist/cassiaX10lib)。また、人工市場シミュレーション基盤 Plham に対して分枝実行機能の導入を図り、こちらもプロトタイプシステムにおける動作を確認した。今後、同機能についてもコード改善を図りながら公開を進めていく予定である。並列版 Plham も現在公開中である(https://github.com/plham/plham)。この3年間で、当初予定していたシステム実装については、おおよそ予定通り実施することができた。 一方で、現行システムでは並列シミュレーションを分枝することはできるが、数多くに分枝したシミュレーションを統括管理機能や、あるいは実行途中のプログラム内部状態分析するための機能はなく、今後のさらなる研究が必要である。現在、申請者が共同研究参加しているシミュレーション管理フレームワークcaravan (https://github.com/crest-cassia/caravan)などとの統合も視野に入れた研究が必要だと思われる。また、応用面については、Plham の開発・利用者とのミーティングにおいては、システミックリスク分析のため、外部パラメータとAgent 群との依存関係をモデル化し、その影響を分析できないかなどの検討をおこなった。今後は、人工市場シミュレーション基盤をマルチ階層シミュレーションの一貫として利用する上でのシミュレータ実装上の課題などについて検討を進めていく予定である。
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