2017 Fiscal Year Research-status Report
人間とロボットの協調的理解に基づくノンバーバルコミュニケーション
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16K12495
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久保田 直行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (30298799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 隆宏 第一工業大学, 工学部, 助教 (70748186)
大保 武慶 東京工芸大学, 工学部, 助教 (60771889)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ノンバーバルコミュニケーション / ジェスチャ / 協調的理解 / ロボットパートナー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人間とロボットの自然なコミュニケーションを実現するために、指さし行為に含まれる指示的意図と社会的意図の理解、物まね行為に含まれるアイコン的ジェスチャを理解するためのメカニズムをシステム論的な観点から解明し、人間とロボットの間で行われるジェスチャの協調的理解に必要な方法論を確立・体系化することを目的としている。 今年度は、ジェスチャ中心コミュニケーションシステムに関する計算論的研究について、共通概念基盤としての情報構造化空間の構築方法について検討を行う。さらに、ジェスチャの協調的理解に関するシステム論的研究について、「物まね」行為の学習方法を提案するとともに、「物まね」行為の協調的理解を行うための方法論を検討した。 ジェスチャ中心コミュニケーションシステムに関する計算論的研究では、人間が利用するスマートデバイス内の個人的なコンテンツやインターネット上の情報をロボットがコミュニケーションに利用するため、研究代表者らが提案してきた情報構造化空間の概念に基づき、データベースの構築化を行った。また、ジェスチャの協調的理解に関するシステム論的研究では、「物まね」行為に基づく対象物の視覚的表象や行為的表象を推定する方法を提案した。具体的には、ジェスチャ認識に基づき手先の動作で対象物の形状などの視覚的表象を創り出す方法の提案、行為的表象を推定するため指差し動作の軌道から対象物に対する上腕を含む動作そのものに意味を付加させるシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度では初年度に実施した人間とロボットの協調的理解に必要となる要素技術に関する検討に基づき、3次元測位センサを利用した計測システムの実装および、物まね行為として指差し動作の検出や物体認識に関する方法論の開発を行った。また、これらについて健常者な被験者を対象とした実験を行い、その精度について議論を行い、平成30年度に行なうべき実験についての議論を重ねている。さらに、人間が行った指差し動作に対するロボットパートナーのインタラクションについても卓上プロジェクターを用いた館内案内やHSRを用いた対象物体の移動に関する実験を行っている。 個々の要素技術を全体システムとして統合化することは、まだ行えていないが、以上のように、全体的に概ね当初の予定通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、ジェスチャの協調的理解に関する構成論的な理解として、社会実験と実証実験を実施し、システムの有用性などを検証する。具体的には、(A)ロボットが発信者で人間が受信者のケースと(B)人間が発信者でロボットが受信者のケースで、それぞれ指さしと物まね行為の協調的理解が成立するかどうかを検証する。ここで、(A)のケースは、ロボットの行為を人間が理解することができるかという社会実験であり、この実験結果から、ロボットに必要な機能や要素技術を解明することを目的とする。(B)のケースは、人間の行為をロボットが理解することができるかという実証実験であり、この実験結果から、提案手法の有効性を議論する。さらに、人間とロボットのジェスチャを中心とするコミュニケーションにおいて、「指さし」と「物まね」の協調的理解に必要となる方法論の体系化を行うとともに、提案手法の適用可能性と限界を探求することで、ノンバーバルコミュニケーションとバーバルコミュニケーションの相補的な機能とその重要性を明確にする。
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Causes of Carryover |
当初予定していた研究代表者と研究分担者との打合せに関する旅費が少く済んだため、 次年度に行われる国際会議での研究成果発表に関わる旅費として使用する。
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Research Products
(2 results)