2016 Fiscal Year Research-status Report
〈弱いロボット〉に基づく関係発達論的な学びの場の構築とその応用
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16K12512
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 美智男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50374096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 秀子 実践女子大学, 文学部, 教授 (30221873)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学びの場のデザイン / ソーシャルなロボット / 関係発達論 / 共同想起対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自己完結したロボットではなく、むしろ能力の不十分な〈弱いロボット〉が子どもたちの積極的な関わりやアシストを引き出すことを生かして、この関わりの中で子どもたちの学びを促すような〈関係発達論的な学びの場〉をデザインし構築する手法の確立を目指すものである。 具体的には、ロボットと子どもとの共同想起場面を想定し、〈トーキング・アリー〉というロボットの不完全な想起に対する子どもたちの共感的なアシスト行動がその子どもたちの学びを促進させる上でどのような効果があるかを構成的に明らかにする。さらに、これらの〈関係発達論的な学びの場〉を具体的な学習課題に展開するとともに、高齢者の介護予防分野への応用を狙っている。 本年度は、本研究を進めるにあたり、社会的構成主義的な学習観や関係発達論的な学びの場、およびProtege Effectに関する理論的な整理を進めた。また、本研究を進めるプラットフォームとして、子どもたちのアシストを引き出しながら共同想起を行うロボット〈トーキング・アリーII〉を構築し、子どもたちの効果的な学びを引き出すためのインタラクションデザインとその振る舞いに求められる基本要件を明らかにした。さらに、ロボットとのピア・ラーニング環境やロボットを介した共同学習環境をデザインし、その基本的な効果を検証した。 本年度の研究成果は、ジャーナル論文としてまとめ、現在、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のプラットフォームの構築が首尾よく進められ、基本的な動作の検証が行えていることから、申請時の研究計画書に沿って、ほぼ順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本提案システムの有効性や子どもたちの学びの促進効果の検証・評価を行うために、ELANをベースとしたインタラクションログの収集・解析システムを構築する。ロボットの各発話様式に対する子どもたちの参加態度や不完全な想起内容に対する積極的なアシスト内容との対応関係をコレスポンデンス分析等で把握し、子どもたちからのアシストを引き出すためのロボットの基本要件、発話様式を明らかにする。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りの予算執行を行ったものの、約13000円の残額であったため、次年度に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用予定である。
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