2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12523
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 寛 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40418760)
齊藤 永 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (00772766)
近藤 英治 京都大学, 医学研究科, 講師 (10544950)
小林 慎治 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20423519)
平木 秀輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (60781523)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 周産期管理 / 電子母子健康手帳 / スマートフォン / 疾患管理手帳 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な仕組みの電子母子健康手帳の取り組みから見えてきた共通の課題を解決し、妊産婦と医療者の双方が安全な周産期管理と作業負荷軽減というメリットを享受できる、医療者-妊産婦共創型電子母子健康手帳システム開発を開始した。 初年度に当たる平成28年度には、既存の電子母子健康手帳の取り組みから見えてきた共通の課題を整理し、本研究で実際に解決する課題設定をより明確にできた。 具体的には、文献検索に加えて産科医療従事者や患者等へのヒヤリングを経た本研究全般における課題の整理(Samar El Helou,. Rapid Development and Adaptation Process of Antenatal Care Electronic Health Records Using openEHR and a Graph Database. Master Thesis in Kyoto University Graduate School of Informatics, 2016)、早期実用化へのハードルを最小化するための法的課題の整理(黒田知宏,齊藤 永,加藤源太,田村 寛. 医療情報学における個人情報保護法改正の影響.(特集:個人情報保護法の改正とデータサイエンスの新潮流), オペレーションズ・リサーチ 5月号)、本システムで必要となる用語の標準化の状況をまとめ、など計画に従った研究を遂行できた(佐藤 麻衣, 近藤 英治ら.レセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた弛緩出血についての実態調査.第52回日本周産期・新生児医学会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レセプト情報を活用して医療者が用いる言語と実際の医療行為の関係について考察を深め、複数の報告を行えた。(Genta KATO, Shusuke HIRAGI, et al. An introduction of the database of health insurance claims in Japan. The 1st Asian Researcher Symposium 2016 Asian Role in Sustainable World Development)(佐藤 麻衣, 近藤 英治ら.レセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた弛緩出血についての実態調査.第52回日本周産期・新生児医学会) また、電子母子健康手帳に関わる個人情報での懸念点についても、法的課題を中心に最新の環境に関する調査を進めた上で議論を深め報告することができた。(黒田知宏,齊藤 永,加藤源太,田村 寛. 医療情報学における個人情報保護法改正の影響.(特集:個人情報保護法の改正とデータサイエンスの新潮流), オペレーションズ・リサーチ 5月号) 実際のシステム設計に向けてはグラフデータベースの活用可能性について検討した結果を国外で報告した。(Samar El Helou, Naoto Kume, Shinji Kobayashi, Eiji Kondo, et al. Graph databases for openEHR repositories. European Journal of Epidemiology, ) 健診における電子データを収集するためにopenEHRarchetypeモデルの開発も並行してすすめることができた。(小林慎治ら。特定健診の電子的データ標準様式(HL7 CDA)に対応したopenEHRarchetypeモデルの開発、第36回医療情報学連合大会)
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度での実績を整理し、平成29年度には実装に向けた検討と開発をすすめる。具体的には、診療時に発生する各種検査結果の取り込みを行うために、既存のEHRシステムに欠ける部分を補足した上で、医療者向けと患者向けの閲覧画面を設計・調整し、プロトタイプモデルの製作を目指す。少数の妊産婦での実証を経て、実用に向けた課題の解消と対象疾患拡大のための課題の整理を行う。 特に、以下の3項目に関しては明確な成果を出すことを目指す。1) 医療者入力内容の表示・患者入力内容の表示画面の設計: 医療者・妊産婦双方の視点で閲覧しやすい表示画面を設計する。2)双方の入力内容の統合: 異なる背景を持つ医療者と妊産婦の双方が閲覧しやすい統合画面を調整して創り出す。3)検査結果も含めた表示画面設計: 医療者並びに妊産婦の意見を反映させて、複数階層の画面の整理を行い、検査結果も含めた最終表示画面の設計・実装を行う。
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Causes of Carryover |
代表研究者が購入予定だった消耗品は手持ちの同等物で賄えたたため 共同研究者が自身の研究費から旅費を支弁したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
代表研究者は2017年度の新たに消耗品を購入予定 共同研究者は2017年度に旅費として使用予定
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