2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12530
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
二宮 洋一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90237777)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオイメージインフォマティクス / 蛍光強度 / 要約統計量 / クラス分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
術者のバイアスや裁量に依存することなく、最小限の画像処理パラメータの設定で蛍光顕微鏡画像を定量解析する方法を開発した。具体的には、蛍光顕微鏡画像を一定の大きさのマス目 (以下gridと呼ぶ) で区切り、それぞれのgridを構成する画素の蛍光強度の要約統計量 (中央値など) を計算する。この要約統計量がgridを表現する数値であり、画像定量の基本データとした。次に、細胞核に一致するgridのみを要約統計量の組み合わせを利用して分類するアルゴリズムを開発し、細胞核に存在する分子の定量に成功した。 また、gridの要約統計量からgridをクラス分類するアルゴリズムの改良ではgridの画像内での位置情報を利用し、ノイズやアーチファクトに属するgridを効率良く、かつ非裁量的に排除する仕組みを開発した。 以上の一連の画像処理方法をGBIQ (Grid Based Image Quantification) と名付け、理論の詳細を論文発表すると共に、GBIQのソースコードを研究者コミュニティに公開 (https://github.com/yo-ninomy/DemoScripts) した。 GBIQの開発は、多数の蛍光顕微鏡画像を非裁量的、自動的に処理・数値化し、バイオイメージインフォマティクスの推進に必要な表現型の定量化に大きく資するものである。今後は、更にインテリジェントなgrid割り当てやクラス分類のアルゴリズムを実装し、より高精度に画像を定量化する方法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画では、1) 計測解析ソフトウェアを研究者コミュニティに提供すると同時に、リファレンスとなる文献を発表し、2) giridの要約統計量を用い、画像の内容を特徴量に基づいてクラス分類するアルゴリズムを改良することを目標とおいた。 1) に関しては、開発したソフトウェアGBIQ (Grid Based Image Quantification) のソースコードをgithubに公開し、広く研究者に利用できるようにした。また、GBIQの理論的詳細を学術雑誌に発表し、GBIQを利用して研究を遂行する際のリファレンスを提供した。2) に関しては、gridの要約統計量にプラスして、gridの位置情報を利用するクラス分類のアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは混合正規分布のパラメータ推定を基本としている点ではプロトタイプと変わらないが、位置情報の追加によって、偽陽性のgridを効果的、かつ非裁量的に排除することに成功した。 以上の研究進捗状況より、本研究課題は概ね研究計画通りに進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きGBIQの改良を継続する。特に組織切片の蛍光顕微鏡画像の計測・解析を効率よく行えるような改良を重点的に検討し、cell segmentationではほぼ不可能であった組織切片のハイスループットデータ処理を行えるアルゴリズムを開発する。また、前年度で検討したクラス分類のアルゴリズムを応用し、蛍光顕微鏡画像へのgridの割り振りをadaptiveかつdynamicに行う前処理法を検討する。もしこの方法が成功すれば、本法の信頼性・頑健性は更に高まると期待される。
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Causes of Carryover |
あまりました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
USBストレージを購入。
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