2016 Fiscal Year Research-status Report
現実の人の動きを元にした移動履歴解析とその解析に適したプライバシー保護手法
Project/Area Number |
16K12548
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 利恵 (繁富利恵) 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (90443192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 裕志 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (20134893)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プライバシー保護 / 匿名加工情報 / 移動履歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
個人情報保護のなかでプライバシー保護は重要であると言われており,利用履歴を匿名化したとしてもその個人特有の利用履歴がある場合には本人の特定がしやすいと一般的に言われている.この本 人特定リスクは利用履歴や乗降履歴の長さが長くなるにつれ,高くなるということが知られている. 本研究では大規模な移動履歴である「人の流れプロジェクト」の移動履歴から乗降履歴を生成し,実際の利用傾向による履歴の分布について考察を行った上で,履歴長と本人特定性の関係についての検討を行 い,移動履歴の 80%以上が二点間の往復移動であること,また二点間の移動を除くほぼすべての履歴が一意であることを示す.その上で午前と午後に分けた履歴を生成し,そのような履歴のもとでは一日単 位と比較して,一意である利用履歴の数が増加することを示す. また,今後の特性を評価するための,匿名性とは何かについての評価関数についての研究を行った.匿名加工に関する評価関数をつくるために,匿名加工中と加工後の評価の評価関数の考え方について説明し,匿名加工中の枝選択における評価関数設計の考え方を検討した.同時に,匿名加工後の元データとの対照による評価関数の設計についてもあわせて検討した.この中で,クロス集計を前提にした分析軸を設定すると有用性と安全性は極めて相反する課題であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に必要なデータが,全てそろっているわけではないので,古い実験データで解析を行っている.今月までに取得したデータにて,再度実験予定.
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Strategy for Future Research Activity |
実験に必要なデータとして,当研究室で行っているMITHRAプロジェクトのデータを利用して解析を行う予定.それにより,今回に匿名加工の実験に即した解析を行うことが可能となる.
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Causes of Carryover |
研究で利用する実験データの収集に時間がかかったため,研究が遅れた.次年度にその研究を繰り越す予定で,そのための繰り越しである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験データを受け取り次第,研究を継続し,費用を使用する予定である.
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Research Products
(2 results)