2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of learning contents with Vocaloid embedded in digital music textbooks
Project/Area Number |
16K12554
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
齊藤 忠彦 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10313818)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 音楽科 / ボーカロイド / 創作 / デジタル教科書 / 学習コンテンツ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は改めてボーカロイドというメディアの特徴について多角的に検討し,音楽デジタル教科書におけるボーカロイドの組み込みについて提案するとともに,近未来においてどのようなことができるようになるのかについて検討した。ここでは,その一部を記す。 ボーカロイドは,簡単に言えば,歌詞を入力し,旋律を創作することにより,歌わせることができるというデジタルメディアである。ボーカロイドの最大の特徴は,歌わせることができることであり,それを「初音ミク」のようなバーチャルな存在に歌わせることができるという点である。架空の存在であるにしても,実際に目に見える対象物が動いたり,歌ったりするということの心理的影響は大きい。近年,プログラミング教育が注目されるようになり,子供たちの関心が高まっている。プログラミングした結果が,実際の小型ロボット(プログラミング専用)の動きで確認することができる点に大きな喜びがあるという。一方,現在,教育版として活用されているボーカロイドには,実際に歌ってくれるようなキャラクターは存在しない。教育版にもキャラクターを登場させることにより,そのキャラクターに歌わせたいというような心理的効果が学習意欲につながるかもしれない。さらに,近未来においては,タブレット端末でつくった歌を,Pepper(ペッパー)のような人間型ロボットに歌わせるという時代もくるかもしれない。 最後に確認しておきたいことだが,デジタル教科書におけるボーカロイドの組み込みは,音楽づくりや創作の学習を想定しているということである。ボーカロイドの活用により,子供たちが歌わなくてすんでしまうのではないかと誤解されることがあるが,歌唱の代替となるものではない。人間が声を出したり歌ったりする行為は,人間の本質的かつ本能的な行為であり,それは自らが行わないと意味がないことは言うまでもない。
|
Research Products
(2 results)