2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an intelligent selection method for reminiscence contents in dementia care
Project/Area Number |
16K12566
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
前川 泰子 香川大学, 医学部, 教授 (60353033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 智晴 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (20326276)
山本 美輪 鳥取大学, 医学部, 教授 (70353034)
武智 尚子 香川大学, 医学部, 助教 (60839869)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 回想法 / 人工知能 / コンテンツ自動生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,認知症患者などに対して精神状態の安定や認知機能の改善に有用とされている回想法(Butler R N,1963)で用いられるライフレビューや音楽療法など,その内容(コンテンツ)の選択に関して,回想法を実施する者の経験だけに頼らない人工知能システムを開発することを目的とする.回想法はライフレビューとともに高齢者の過去を想起して語ってもらうことで,認知症患者の心理的安定を導き出す効果的な援助と位置づけられているため,対象となる高齢者それぞれのこれまで生きてきた背景や経験などに即した内容であることが,その実施の効果につながるものとなる.一方で,介護職の離職率の悪化など,回想法に関する知識や経験が豊富な人材確保の困難さが問題となっており,これまで実施者の経験だけに頼らない効果的な回想法実施のためのコンテンツを人工知能技術により自動生成するためのAI技術を開発してきた.当該年度は,回想コンテンツ選択のアルゴリズム的手法を再検討し,従来,回想法実践の熟練者が行っていたコンテンツ選択の方法を再現する人工知能研究への改良に着手した.アルゴリズム的手法としては情報推薦を採用した.さらに,コンテンツ提示をロボットが行うための情報基盤づくりに取り組み,コンテンツデータベースから情報推薦により回想コンテンツを選択して提示する一連の流れをシステム化に繋げている.また,本研究を進めるにあたって課題となっていたその時代を想起する曲や映像の利用における著作権の問題について,当該年度,広くその所有権をもつレコード会社の研究協力を得るに至った.対象者の時代背景に合わせた音楽・映画の映像による回想法実施前後の評価に関しては,脳血流に上昇がみられた結果をもとに,さらに簡易的に評価するための高齢者の表情や行動の変化に関する項目を指標とするシステムの検討を重ね,システムに組み込み,実施する準備を進めている.
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Research Products
(5 results)