2017 Fiscal Year Annual Research Report
Estimating CO2 fertilization effects using the eddy covariance big-data over Asia region
Project/Area Number |
16K12588
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植山 雅仁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60508373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CO2施肥効果 / 群落光合成 / 蒸発散速度 / 植物生理特性 / モデル / 気孔コンダクタンス / FLUXNET |
Outline of Annual Research Achievements |
大気CO2濃度の上昇は、光合成に必要な基質供給の増加により個葉の光合成速度を増加させる。この現象は「CO2施肥効果」として知られている一方、森林などの生態系スケールでどの程度起こっているかについては、評価手法が限られているため、依然、よく分かっていない。本研究では、生態系スケールでの「CO2施肥効果」を定量評価する手法を開発し、全球スケールの2000~2014年の間でおこったCO2施肥効果を定量評価した。 CO2施肥効果の定量評価のために、群落光合成速度、蒸散速度に関するモデルと野外観測データを融合する手法を開発した。群落光合成、蒸散速度、気孔コンダクタンスなどの需要プロセスを精緻に取り扱うモデルを開発し、CO2施肥効果に感度の高いパラメータを渦相関法による群落スケールのフラックス・気象観測データを用いて決定した。解析では、全球に分布する97サイト(748サイト・年)のデータをAsiaFluxやFLUXNETのデータベースから整備し、パラメータの算定を行った。解析の結果、対象期間で生態系スケールの総一次生産量は0.13% ppm-1上昇しており、全球スケールでは4.9 PgC yr-1の上昇であることが明らかとなった。ここで得られたCO2施肥量は、今日の陸域生態系のCO2吸収量(3 PgC yr-1)と同じオーダーで起こっており、全球スケールでの陸域炭素循環においてCO2施肥効果が非常に重要なプロセスでることを示唆するものである。
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