2016 Fiscal Year Research-status Report
映像解析による「マウス社会的ストレス応答指標」の開発
Project/Area Number |
16K12606
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
掛山 正心 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30353535)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 神経科学 / 社会医学 / トランスレーショナルリサーチ / 有害化学物質 / 行動神経内分泌学 |
Outline of Annual Research Achievements |
「社会性」は認知機能と並んでヒトをヒトたらしめる重要な機能である。化学物質曝露など環境危惧要因がそれを害する、すなわちストレス社会における脆弱性を引き起こしたり、社会的場面を避けるような症状をもたらすのではという懸念のなか、我々は動物実験において、ダイオキシン等の胎仔期曝露が社会行動異常と、社会的ストレス場面における脳活動異常を引き起こすことを明らかにしてきた。本研究では、独自開発を進めてきた映像解析システムを用い、社会的ストレスに着目した新たなマウス社会行動の解析指標ならびにそのデータ解析アルゴリズムを開発し実用化することを目的とする。オペラント装置を内蔵した集団型全自動マウス行動解析システムIntelliCageを用い、我々がダイオキシン曝露実験の際に開発した「社会的競争環境課題」を行った。同定済の「社会的競争の場面を避ける」モデルマウスや、逆に競争場面で優位性を示すモデルマウスを用い、競争状態において表出する「他個体との関係性」を示す行動指標の開発を行った。他個体と被験マウスがつくりだす関係性場面について、物理的距離と物理的接触の弁別のため、新たな映像解析アルゴリズムを作成した。他個体が表出する行動(競争を避ける/他個体をおしのける、被験マウスに近づく/遠ざかるについて類型化して解析するため、新たなデータマイニングアルゴリズムを開発した。H28年度末より、ストレス応答指標との対応付けに関する検討に入ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り着実に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
H29年度は生化学的ストレス応答指標と行動指標とを対応させながら、行動指標を確立できる見込みである。
|
Causes of Carryover |
予算総額の状況とシステム開発の計画の都合上、生理生化学解析のための動物作成スケジュールの一部を変更した。これに伴うもので、全体としては計画通り進んでおり問題ない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生理生化学解析をH29に集中して行うので、当該研究期間中に使用する予定である。
|
Research Products
(7 results)