2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of biological treatment method of hydrazine-containing wastewater using anammox sludge
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16K12622
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
西山 孝 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (00425331)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | anammox / ヒドラジン / ヒドラジン生物処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は以下の2つのサブテーマの研究を行った。 (1)負荷速度と処理速度の上限:ヒドラジン濃度を安定処理可能な60 mg-N/Lに固定し、流速を変動させた。ヒドラジン負荷速度が0.45 kg-N/ m3・dayでは、3週間程度ヒドラジン除去率80%を維持した。この運転での平均ヒドラジン除去速度は0.40 kg-N/ m3・dayであった。一方、負荷速度を0.60 kg-N/ m3・dayに上げた運転では、1週間程度で除去率が80%を割り、そのまま運転を継続するとさらに1週間後には除去率が30%程度まで低下した。そのため、負荷速度と処理速度の上限は、それぞれ0.45および0.40 kg-N/ m3・dayと決定した。 (2)ヒドラジン除去の代謝系の解明:28年度の定量的PCRを用いた解析で、ヒドラジン除去にはanammoxの代謝系に加えヒドラジンの不均化が関与していることが示唆された。これを検証するため、28年度とは別ロットのanammox汚泥を用い、同様の定量的PCR解析と次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を行った。どちらの解析でも28年度の結果を支持する結果が得られたことから、ヒドラジン除去の代謝系は以下の4反応で構成されることが推察された。(反応1:NO3-のNOへの還元)2NO3- + 8H+ + 6e- → 2NO + 4H2O、(反応2:N2H4合成)2NH4+ + 2NO + 4H+ + 6e- → 2N2H4 + 2H2O、(反応3:N2H4酸化)3N2H4 → 3N2 + 12H+ + 12e-、(反応4:N2H4不均化)3N2H4 + 4H+ → 4NH4+ + N2。これら反応式の合算は、28年度に確認したヒドラジン除去の化学量論(2N2H4 + NO3- + 2H+ → 2N2 + NH4+ + 3H2O)と一致する。
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