2016 Fiscal Year Research-status Report
1,4-ジオキサン分解菌と特異的活性化剤を活用した汚染地下水の生物浄化技術の開発
Project/Area Number |
16K12624
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池 道彦 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40222856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惣田 訓 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30322176)
黒田 真史 大阪大学, 工学研究科, 助教 (20511786)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 1,4-ジオキサン / バイオレメディエーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1,4-ジオキサン分解菌を特異的に活性化する物質を見出すため、7菌株の1,4-ジオキサン分解細菌(Mycobacterium sp. D6, Mycobacterium sp. D11, Pseudonocardia sp. D17, Pseudonocardia sp. N23, Pseudonocardia dioxanivorans CB1190, Rhodococcus sp. T1, Rhodococcus aetherivorans JCM14343)、及び活性汚泥について、13種類の炭素源の資化性の評価を行った。グリオキシル酸、グリコール酸、エチレングリコール、フェノール、1,4-ブタンジオール、1-ブタノール、グルコース、及び酢酸は活性汚泥により資化されたため、非特異的に環境細微生物によって資化されるものと考えられた。一方、ジエチレングリコールは、Pseudonocardia dioxanivorans CB1190、Rhodococcus aetherivorans JCM14343による資化は認められなかったものの、他の1,4-ジオキサン分解細菌は全て資化能を示し、特にMycobacterium sp. D6、Pseudonocardia sp. D17は良好な増殖を示した。グリオキサールは、JCM14343株でのみ資化が認められ、活性汚泥を含めて他の菌株では資化が認められなかった。以上より、1,4-ジオキサン分解細菌を特異的に増殖させ、1,4-ジオキサン分解を活性化し得る基質として、ジエチレングリコール、及びグリオキサールが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,4-ジオキサン分解菌を活性化する基質としてジエチレングリコールが見いだされたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1,4-ジオキサン分解菌の特異的活性化剤として見出されたジエチレングリコール(DEG)について、1,4-ジオキサン分解細菌の特異的増殖に用いる基質としての特性を評価することに注力する。フラスコスケールとして50 mL容バイアル瓶または300 mL容三角フラスコを、リアクタースケールとして1 L容ジャーファーメンターを用いる。無機塩培地Fを分注してオートクレーブ滅菌を行った後、各種炭素源を試験に応じた濃度で添加し、1,4-ジオキサン分解細菌Pseudonocardia sp. D17株またはMycobacterium sp. D6株を終濃度50 mg-TSS/Lとなるように植菌し、28℃で好気的に培養する。ジャーファーメンターによる培養では、pHを7.0に制御する。フラスコスケールの試験では、DEGを炭素源とした場合の最適な窒素源の選定、DEGを炭素源とした場合の菌体収率の評価、およびDEGで培養した菌体の1,4-ジオキサン分解活性の評価を行う。リアクタースケールでは、無菌的培養によりDEGによるD17株の高濃度培養を試みるとともに、雑菌を含む条件でも培養を行い、D17株の増殖に対するDEGの特異性を評価する。
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Research Products
(2 results)