2017 Fiscal Year Research-status Report
単結晶有機半導体太陽電池構築のための分子層ヘテロエピタキシャル成長の確立
Project/Area Number |
16K12649
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊崎 昌伸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30416325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 成長制御 / C8-BTBT / PTCDI-C8 / 輸送特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有機半導体などの有機半導体エレクトロニクスの飛躍的性能向上を目的として、2,7-ジアルキルベンゾチエノ[3,2-b]ベンゾチオフェン(C8-BTBT)-p型半導体、N,N’-ジオクチル-3,4:9,10-ペリレンテトラカルボキシリックイミド(PTCDI-C8)-n型半導体を酸化アルミニウムならびに酸化マグネシウムの単結晶基板上に真空蒸着法により形成し、精密な結晶方位解析とナノスケール形態観察を行い、有機半導体の分子層ヘテロエピタキシャル成長の技術と学理の確立に取り組むと共に、分子層ヘテロエピタキシャル成長技術の有効性を検証・実証する。平成28年度には単結晶酸化物基板ならびに石英ガラス基板上にC8-BTBT層もしくは PTCDI-C8層を形成した結果、X線回折的にはほぼ単結晶級膜が形成された。その成長過程を原子間力顕微鏡により追跡した結果、sapphire基板上に島状成長とその合体により極めて平滑な均一層が形成された後、3次元成長に移行し表面起伏が増大すること、その均一層の厚さは成膜条件によって異なること、基板材料の影響をあまり受けないこと、などが明らかとなった。平成29年度には、詳細な構造解析と形態観察によって、分子間のπ-π結合による分子配列形成と基板上に形成されている原子レベルステップによる運動阻害が成長を制御しているため、基板材料によらず同一の方位が得られたと考えられた。このことは、分子間の水素結合制御によりほぼ完全な単結晶級有機半導体層が形成できると予想される。また、このC8-BTBT層とPTCDI-C8層の積層体では、ほぼ同様な方位関係が得られるが、積層順序が表面形態と表面エネルギー均一性に大きな影響を及ぼすことが実験的に確かめられた。さらに、このように、積層体の方位制御を行うことによって、著しい拡散長の増大が実現できることを明らかにし、論文を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度において明らかとなった、結晶方位によらず酸化アルミニウム単結晶基板上に、X線回折的に単結晶と判断できるC8-BTBT並びにPTCDI-C8層を形成できること、結晶方位が基板の影響を大きく受けないという実験事実から、平成29年度には、分子間結合と基板表面形態に関係した成長過程をモデル化し提案することができたとともに、拡散長増大という効果も明らかにした。また、C8-BTBT/PTCDI-C8積層体の方位関係と成長観察をもとに、積層体への成長モデルの拡張に関する端緒を得たことから、①当初の計画以上に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
有機半導体の分子間の強いπ-π結合による配列制御に加えて、弱い水素結合を制御するためには、有機半導体分子が有する運動エネルグーの制御が必要であり、その方法について新規に考案する必要がある。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度までで成長モデル提案と実証、を行う大きな成果が得られたことから、次年度も継続して研究を実施するために、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 実験に必要な単結晶基板などの高zにゅうに充当する。
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Research Products
(3 results)