2016 Fiscal Year Research-status Report
疎林はどのように疎林か。また何故。-乾燥地植林のための個木インベントリ-
Project/Area Number |
16K12658
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川西 琢也 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (80234087)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乾燥地 / 疎林 / spatial statistics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 乾燥地植林に関連して, 疎林のキャラクタリゼーションを行い, 植林好適地の発見につなげようとするものである. このため, [1] 個木位置をデータベース化し, [2] 数学, 統計学的にその点分布を指標化し, [3] 疎林が疎林となった要因を解析する. さらに, [4] 作業を自動化して大規模な解析を行う. 期間内に研究手法および大規模化のフィージビリティを明らかにする, ことを目標とする. 2016 年度の成果は, [1] については, 画像処理として, Deep Learning などの手法をいろいろと試している段階である. また, 画像解析用に専用コンピューターを導入し, 計算の高速化を図っている. [2] については, 統計的手法が重要である. その中でも, Extreme value theory やノンパラメトリック手法などの現代的な統計手法を用いる計画だが, 2016 年度は, Extreme Value Index (EVI) のパラメーター推算法としての Maximum Product of Spacings 法の改良法を考案した. EVI 推算には, パラメーターの領域によっては最尤法が使えず, 標準的な方法が確立されていないが, 今回考案した方法は広いパラメーター領域で従来法にくらべてバイアス, バリアンスが小さく, 標準的手法の候補として期待できると考える. また, この方法のプログラムを Python パッケージとしてまとめた. この結果は国際誌に投稿中である. また, 個木データ位置の解析については, 東京大学環境数理スタディグループを通じて, 数学者と手法の議論を行うなど, 数学的観点からの検討をすすめている. [3], [4] についてはまだ手付かずである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016 年度は, 研究の一環としての統計的解析手法について, 新たなパラメーター推算法を考案したが, この手法を使えるようにするまでに時間がかかってしまった(ほぼ7ヶ月をこの問題にあてた). しかし, この手法を含め, データ解析に関するノウハウはかなり蓄積してきた.
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Strategy for Future Research Activity |
個木データについては, 狭い範囲ではなんとかデータ化ができそうなところまできているので, データベース整理と解析を平行して進め, 今年度内のフィージビリティ判定を目指す. 計画の大幅な変更はない.
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Causes of Carryover |
約 7,000 円の残高で, 特に急いで購入する物品もなかったので, そのまま残しておいた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小額なので, 特に計画に変更なし.
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