2017 Fiscal Year Research-status Report
タイムアクシス・デザインの基礎理論を醸成するための枠組みの構築
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16K12667
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 靖 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40242086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 由幸 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (20286636)
下村 芳樹 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (80334332)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タイムアクシスデザイン / 設計方法論 / 事例収集 / デザイン / 設計 / 時間変化 / 価値成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デザイン対象の時間変化を扱うためにタイムアクシスデザインという視点からアプローチすることで、新たなパラダイムの設計論を提唱する橋頭堡を確立することを目的とする。 今年度は、タイムアクシスデザイン研究の組織化と、タイムアクシスデザインの方法論の検討を行った。組織化に関しては、研究代表者が主査となり設立した日本機械学会設計工学・システム部門タイムアクシスデザイン研究会を中心に、日本設計工学会タイムアクシスデザインに関する研究調査分科会、日本デザイン学会タイムアクシスデザイン研究部会と連携して活動を行った。特に、日本設計工学会誌2018年2月号において特集「タイムアクシスデザイン」を企画し、研究代表者、分担者ら5本の解説論文を掲載し、これまでの研究成果をまとめた形で発表することができた。また2017年5月に日本設計工学会春季研究発表会において設計フォーラム「タイムアクシスデザインへの期待」を開催し、参加者80名以上を得た。2017年9月に開催した日本機械学会設計工学システム部門講演会においてはオーガナイズドセッションを企画し、5件の発表を得た、また、分担者松岡がタイムアクシスデザインに関するワークショップを企画し、好評を博した。これに加えて研究会の会合を3回実施し、産業界からも多数の委員が参加し、密度の濃い議論を行うことができ、タイムアクシスデザインの概念の深化に効果があった。 タイムアクシスデザインの方法論の検討に関しては、タイムアクシスデザインを「何が時間変化するか」、「価値発現条件」、「時間変化への対応策」という概念で整理することを提案し、事例を約130個収集し、これらの軸で整理し、データベース化した。時間変化9分類、対応策14分類により、事例を整理できることを明らかにした。さらに、この事例データベースを利用して、タイムアクシスデザインを支援する手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイムアクシスデザイン研究の組織化について順調に進捗しており、設計フォーラム、日本設計工学会誌の特集号など明確な形での対外発表を行えた点は、計画外の進捗である。 方法論の提案に関しは、タイムアクシスデザインの枠組構築、および、タイムアクシスデザインの体系化に向けての事例収集は順調に研究が進展し、事例データベースも構築することができた。一方で、TADマップの作成は若干遅れ気味である。一つの原因は、事例と併せて、方法論、モデルを収集する計画であったが、そのようなものが必ずしも多くないことにある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる来年度は、タイムアクシスデザイン研究の組織化については、継続して活発に活動し、本研究終了後の継続策を検討する。 最終年度にタイムアクシスデザインのガイドラインを発行する計画にしているが、これまでの研究成果を踏まえ、ガイドラインの詳細を煮詰める方向で研究を進める。
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Causes of Carryover |
平成30年度が最終年度のため、とりまとめ、成果発表等に費用がかさむ可能性があるので、今年度は節約して使用した。
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