2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Work-Life Design focusing on Quality of Work
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16K12669
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 章 名古屋大学, 未来社会創造機構, 招へい教員 (50537834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 亮 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (40509171)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ワークライフバランス / 在宅勤務 / 幸福度 / パネルデータ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,働き方の質の定量的分析に基づく生活様式と職場環境に関する総合的なデザインを議論できる方法論の開発である. 本年度は,過年度に実験した,知的生産性が求められるコンサルティング会社の社員10名を対象とした通勤形態(定時・時差・在宅)における幸福度や満足度など主観的評価データ,2週間分を分析した. 日々の主観的幸福度の変化の要因の説明するためパネルデータ分析として,固定効果推定,ランダム効果推定,Hausman and Taylor推定を行った.固定効果推定は個人属性など時間変化しない要素を消去する方法であり,休日,通勤(平日),在宅(平日)といった要因が幸福度に影響すると仮定する.ランダム効果推定は性別や児童同居などグループの影響を考慮できると仮定する.これら二つの推定方法を適用し,検定の結果,固定効果推定の方が望ましい結果となった.一方,より高度な分析として,一部のグループの影響を考慮できるHausman and Taylor推定を適用した結果,固定効果推定よりも統計的に望ましい結果が得られた.本推定結果の結果,休日が最も幸福度は高くなる傾向にあり,平日は通勤時よりも在宅勤務時の方が幸福度は高くなることが確認された.今回の在宅勤務の希望日数は週1~2回であり,希望通りに実現できている環境であること,また,会社としても適度な在宅勤務回数であることから,コミュニケーション不足など業務管理への悪影響はない状況であることから,在宅勤務制度が幸福度に良い影響を及ぼしている結果となった.今後は他の企業や業種など,事例を増やして通勤形態を議論できるようにすることが必要である. なお,本結果を整理し,現在,研究論文として投稿し,査読中である. また,昨今の企業の働き方改革の取り組みも盛んであることから,数社から研究内容の問い合わせもあり,研究成果の紹介,アピールに努めた.
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