2017 Fiscal Year Research-status Report
実体ブロックを用いたプログラミング学習環境の研究と開発
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16K12675
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
迎山 和司 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (20363715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 泰 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00272188)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子どもの学習 / CAI / タンジブルユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度報告の繰り返しとなるが,本研究では(1)プログラムの構造が実体化することで協調作業が可能なプログラミングツールの開発,(2)それらを用いた活動のデザイン手法の確立が目的である.プログラミングツールは前年度Plugrammingと名付けた.プログラムコマンドをブロックとして実体化し,ケーブルの連結つまりプラグイン(Plug-in)によってプログラミング(Programming)を行うことができるからである.ただし,ワークショップにおける児童の学習のためのツールであり,コンピュータシステムのための汎用的な開発言語ではない.このための機能は限定されており,プログラミングの基本的な概念である順次・分岐・反復の3つが協調作業によって学習されることを目指している. 平成29年度では基本的な概念のうち未実装であった反復を実装することができた.これによって前年度は順次と分岐の学習のみであったワークショップをさらに発展させて実施することができた. また学会発表を3回を行った.1件は平成29年7月のカナダ・ヴァンクーヴァーでのHCII2017でこれは招待講演である.もう1件はハンガリー・ブタペストでのScratch Conference 2017でPlugrammingのデモ発表を行った.最後が日本デザイン学会春季大会で学生プロポジションで優秀賞を得ることができた.論文掲載は3件で,いずれも査読付き採択である.内訳はHCII2017発表に伴う国際論文雑誌掲載,日本デザイン学会での作品紹介掲載,情報処理学会での論文誌掲載である.特に情報処理学会の論文誌に採択された論文はこれまで研究内容を総括した内容で年度末に発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度以降の計画は,前年度で実施したプログラミングツールPlugrammingの開発とワークショップの実施を分析することである.さらにその分析を元にPlugrammingおよびワークショップの改良も行う.その点において本研究は予定以上に計画を進めることができた. なぜなら,前年度に国際学会での招待講演の機会を得たことが,本研究の進捗をさらに進めることになったからである.この講演のみならず,今年度だけで他に2件の学会発表を行った.どの発表でも専門家同士交流があり分析を深めることができた. このような発表を経て精査された分析の結果から,Plugrammingに前年度はなかった反復のブロックを追加した.これによって前年度は順次と分岐の学習のみであったワークショップをさらに発展させて実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画上,発表の観点で言えば今年度で十分な成果を得られたと考える.しかしながら,今後の展望はまだ残されている.特に順次・分岐・反復の3つを総合的に分析した結果の精査はまだされていない.したがって引き続きPlugrammingによるワークショップの実施と分析を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
本年度の予算額自体が次年度分を前倒したものであった.なぜなら前年度の時点で海外発表を2件行うことがはっきりしていて,あらかじめ十分な予算を確保する必要があったからである.おかげで本年度で十分な成果(学会発表3回,雑誌掲載3回)を得ることができた. そして共同研究者の協力の下,計画立った執行ができたため,前倒しだった分を使い切ることなく次年度に戻すことができた. 今年度でほぼ研究目標は達成できているが,分析の精査にまだ不十分な点がある.したがって次年度は,このことを行うために異動した元博士課程学生との交流(出張あるいは招聘)のために使用することを計画している.
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