2016 Fiscal Year Research-status Report
上りたくなるデザイン追究に基づく健康階段施策の開発
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16K12678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
武部 貴則 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20612625)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デザイン / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、研究代表者らは独自に考案した広告医学という概念のもと、広告におけるデザイン手法を活用して行動変容を実現するツールの有用性を明らかとしてきた。本研究では、広告クリエーター等と共同で階段にユニークな装飾や特殊な仕掛けを施すことで、楽しみながら階段上り運動を誘発するデザインの確立を目指している。
28年度では、まず大学内の階段を頻繁に利用する医学部学生、事務関係者協力者にグループインタビューを実施し、階段の利用頻度や、階段を登るためのインセンティブになりうる要件の基礎調査を行った。得られた調査結果を踏まえ、1.興味深い画像を投影する手法、2.移動時にメッセージが配信される手法、の2つに開発の焦点を絞り、システム開発に進んだ。具体的には、まずラズベリーパイを活用したIoTツールを制作し、特定の写真や絵を歩行者が目にする壁面に投影するための基盤を構築した。本システムでは、画像が注意を引きやすい画風に変換されるなど、映像を楽しみながら歩行することが可能となる。また、RFIDとセンサーを活用し、移動距離に応じたメール配信イベントを引き起こすための、プラットフォームの構築を進めた。本システムにより、特定の2地点間移動と楽しむ仕掛けの発生をリンクさせることが可能となる。以上により、複数類型の健康啓発ツールの基礎開発が完了した。得られた成果は、超異分野学会など複数の研究会にて学会発表にてその予備的知見を報告した。以上を通じて、日頃の運動不足の解消に有益な階段のあり方を決定する。自然に健康づくりが促進されるツールの例証として、「階段」という対象物からその基盤構築を試みることを通じ、病のない社会を実現するためデザインの手法で予防を実現するまちづくりへ活かす生活環境のデザイン体系の提案を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デザイン類型を複数考案し、基礎検証を開始している。順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、作製したツールを活用したβテストをラボ内で進め、センサー等により効果の比較検証を行うことで、その有用性の基礎検証をすすめる。また、将来的な実装を想定し、階段等に実装する際に想定される規制等の調査も並行してすすめていく。
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Causes of Carryover |
28年度のシステム開発部分において、βテスト段階を設定することが望ましいと判断し、βテスト段階では、医学部学生を活用することで人件費および外注費用を抑えることが出来た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
βテストを終え、システムの本格稼働のための費用として人件費、表示する画像などのコンテンツなどのデザインに関する委託費用を中心に執行する予定である。
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Research Products
(10 results)