2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design strategy to enhance daily stair use and walking
Project/Area Number |
16K12678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
武部 貴則 横浜市立大学, 先端医科学研究センター, 教授 (20612625)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デザイン / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、研究代表者らは独自に考案した広告医学という概念のもと、広告におけるデザイン手法を活用して行動変容を実現するツールの有用性を明らかとしてきた。本研究では、広告クリエーターと共同で階段にユニークな装飾や特殊な仕掛けを施すことで、楽しみながら階段を上る運動を誘発するデザインを確立を目指してきた。
まず、実験の場となる大学構内のキャンパスでのフィールドワークをクリエイターとともに実施し、介入対象となりうる階段の選定、廊下や教室の選定を行った。次に、電子(RFID)タグを貼付した靴・GIFアニメーション付きメール、健康クイズなどの階段への掲示、電子ミラーなどの素材を活用したコンテンツを制作し、広告クリエーター等と共同で数名の被験者とともに現場検証を実施し、コンテンツ内容のブラッシュアップを行った。最終年度では、開発したシステムを活用したウォーキングイベントを大学内向けに実施し、30名規模の体験ツアーによる検証実験を行った。その結果、一人あたり3000歩程度の歩行を誘発し、伴って階段昇降を大幅に増加させることに成功した。なお、検証に際しては、被験者の頭部にカメラを装着することで、実験中の視線の評価など行動学的な評価を行った。これらの様子は動画として撮影を行い、ウェブ配信を行う予定である。
以上の結果から、階段にユニークな装飾と、電子(RFID)タグを貼付した靴とのインタラクティブな仕掛けを組み合わせることで、歩きたくなる行動をデザインするシステムの開発に成功した。今後も楽しみながら階段上りや歩行運動を誘発するデザインの原型としての活用が期待される。
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