2016 Fiscal Year Research-status Report
動的養浜の発想に基づく自己生成的サンドスケープ(砂景)の創造
Project/Area Number |
16K12680
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
中尾 寛 湘南工科大学, 工学部, 教授 (10754351)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海岸侵食対策 / ランドスケープデザイン / 動的養浜 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究初年度として、テーマである新たな養浜手法による新たなランドスケープデザイン構想のために、主に浸食、砂浜減少の実態とその対策事例を国内にて調査し、また文献資料により海岸浸食対策情報蒐集、砂の物理特性や砂浜の動的特性の理解に努めた。 計画1:「研究対象地域海岸調査」。まずは現在の砂浜の状況を把握するために、ドローン空撮、地上動画、静止画撮影等多角的な視点による現況の観察、記録作業を実施した。実施場所は、神奈川県小田原市小田原海岸、大磯町大磯海岸、茅ヶ崎市茅ヶ崎海岸、藤沢市辻堂海岸となる。 計画2:「国内砂浜保全実例調査」。国内有数の景勝地でありながらその砂浜減少による景観破壊の深刻な問題を抱える地域、そこでの養浜対策を現地調査した。調査場所は、静岡県静岡市清水海岸(三保の松原)、静岡県浜松市中田島砂丘、京都府宮津市宮津港海岸(天橋立)となる。特に、中田島砂丘では、大規模な堆砂垣の作り出す景観、また天橋立では、一定間隔で配置された小規模の消波堤が作り出す景観を、養浜効果を伴った自然と人工が協働するランドスケープデザインの発想の肯定的事例として確認。 計画4:「風洞実験装置製作」。実験室内にビニールハウスを設置し、ブロワーによる風力で飛砂、堆砂の簡易風洞実験装置を製作し、様々なタイプの堆砂垣がどのような堆砂の形状を作り出すかの実験を始めた。 その他:29年度に計画していた流体シミュレーションソフトによる砂の動きの分析実験作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度の研究計画3、「海外の砂浜保全事例調査」は行えなかったが、国内の調査、29年度に計画している実験作業の準備と着手が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 内外の養浜事業の調査をさらに進めるとともに、レーザー測量による研究対象海岸の詳細調査を進める。 2 風洞実験ならびに流体シミュレーションソフトによる堆砂垣のデザイン実験を行う。 3 ヴァーチャルリアリティを活用した堆砂垣デザイン検討作業を行う。 4 ゼラチンによる砂の硬化を利用したデザインアイデアの可能性を探る。
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Causes of Carryover |
当初計画していた海外の養浜事業事例調査を行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外の養浜事業事例調査旅費。
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