2016 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な地域づくりのための里川カラーブランディング手法の開発
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16K12681
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
牧野 暁世 鹿児島大学, 産学官連携推進センター, 特任助教 (40768834)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カラーブランディング / 地方創生 / 地域ブランディング / 鹿児島 |
Outline of Annual Research Achievements |
持続的・自律的な社会を創生するため、地方自治体は色彩を活用した地域ブランディングを行なっている。しかし色名のみを記述したようなカラーブランディングが各地で行われれば、地域間で同じような色彩が重複して使用され、その固有性を幅広い顧客に十分に伝達できなくなる可能性がある。そこで、地方創生のためのカラーブランディング手法の開発を目的とし、全国各地と同様に地方創生が喫緊の課題のひとつである鹿児島県を対象として検討した。今年度は、1.固有色調査、2.景観色調査を行うこととした。 鹿児島県の主な産業は畜産業や農業で、黒豚、黒砂糖など古くから「黒」のつく県産品が多い。そこで、固有色として黒に着目し、かごしまPR課の2名とともに103 品目による黒資源候補から、固有性、知名度についてそれぞれ5段階評定を行い、その合計得点を参考にして計61 品目、6つのカテゴリ(食材17 項目、加工食品13 品目、工芸品6品目、風俗・文化6品目、建築物等8品目、自然11 品目)からなる鹿児島の黒リストを作成した。次に、分光測色計または視感測色のうち、対象の性質に応じてもっとも適切な方法を用い、マンセル値及びL*a*b*値の算出を行った。その結果、色相はR~PBまで幅広く分布しており、多様な色相が示された。 景観色調査について、対象地域を市内の「歴史と文化の道」地区に設定し、鹿児島市の協力を得ながら測色を開始した。 今後は固有色及び景観色調査を継続し、県産品から景観づくりまで汎用性の高い「鹿児島の黒パレット」の制作を行い、地方創生のためのカラーブランディング手法の開発をすすめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
固有色調査について、現在20程度の黒素材の測色を実施した。 景観色調査について、対象地域の測色を2回実施した。おおむね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
固有色調査について、今夏までを目標に10程度の黒素材の測色を実施し、計30色程度からなる「鹿児島の黒パレット」を作成する。その際、得られた色彩のネーミングや関連情報の付与、表示の仕方などを検討していく。 景観色調査について、今夏までを目標に「歴史と文化の道」地区における代表色を抽出する。次に、鹿児島の黒パレットを活用したサイン計画や商品のパッケージデザインなどの提案を行い、県産品から景観づくりまで活用可能な汎用性の高いパレット制作を目指す。それらを通じて、県内だけでなく、県外の人々も対象にした地域全体のブランド向上のためのカラーブランディング手法を構築する。
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Research Products
(6 results)