2017 Fiscal Year Research-status Report
地方の田園・村落地域への子育てための移住に関する研究
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16K12694
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
村田 久 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (80350445)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
岡山県赤磐市では、合計特殊出生率において2005年度では全国平均、岡山県平均を下回っていたが、2015年度では全国平均(1.45)、岡山県平均(1.54)を上回り合計特殊出生率が1.56となっている 。赤磐市は、岡山市内に短時間で移動できるとともに豊な自然に囲まれており子育てと仕事の両立に適した立地環境にあるといえる。赤磐市が掲げる「子育てするならあかいわ市」をさらに推進して実現するため、未婚率の上昇、晩婚化、晩産化、夫婦完結出生率低下に影響を与えている課題やニーズなどの背景について、地域特性を踏まえて計量的に把握・分析し、より効果的な施策展開を行うため、アンケート調査を実施した。 理想とする子どもの人数は、男性独身者で2.2人、男性既婚者で2.6人、女性独身者で2.0人、女性既婚者で2.6人である一方で、実際に持つと思う子どもの人数は、男性読者で1.6人、男性既婚者で2.1人、女性独身者で1.3人、女性既婚者で2.1人となっており、全ての属性で理想を下回っていることが明らかとなった。 理想の子ども人数が実際持つと思う子ども人数より少ない理由としては、独身者では、「子育てや教育にお金がかかる」が38%、「高齢で生むのはいやだから」が16%、「自分や夫婦の生活を大事にしたいから」が9%、既婚者では「子育てや教育にお金がかかる」が49%、「自分の仕事に差し支える」が14%、「高齢で生むのはいやだから」10%であり、経済的コスト、身体的コストが理由としてあげられている。 これらのことから、「精神的なやすらぎ」「愛情の交流」「自分の家族が持てる」など家族を持つメリットが結婚、出産、子育てにかかるコスト(経済的コスト、時間的コスト、身体的コスト)を上回ることが実感できる環境整備の必要性が示されたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査の実施と集計を実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的と達するため以下の3つを研究計画の柱としている。 研究Ⅰ.地方に‘子育て移住’した移住家族の課題についての統計的検討 研究Ⅱ.地方における第3世代の子育てライフスタイルの析出 研究Ⅲ.(Ⅰ),(Ⅱ)をベースとした子育て移住に関する政策提言の構築
平成30年度は研究Ⅲを行う。研究Ⅰ及び研究Ⅱの成果と行政報告書(総務省地域力創造グループ「平成21年度都市から地方への移住・交流の促進に関する調査報告書」)等と照合を行い、本研究調査による実証的見地からの考察を行う。合わせて永井(永井保男.「国内移住の人口学」中央大学経済研究所年報 (45), 653-687, 2014)による定住促進事業の検討を参照しながら今後の子育て移住施策推進の提案モデルを作成する。
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Causes of Carryover |
現地ヒアリング調査の一部をを平成30年度に実施するため。
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Research Products
(3 results)