2017 Fiscal Year Research-status Report
Gait analysis and design theory of high heel with elastic heel based on fingering gait
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16K12702
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 泰之 中央大学, 理工学部, 助教 (10770844)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 靴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではハイヒールにおける関節や筋への負担や疲労,姿勢悪化を軽減する歩容動作誘導・衝撃吸収機能を有した高機能ハイヒールと,その設計理論の構築を目指している. 28年度は,既存の弾性により衝撃吸収可能な靴についての比較検討と,目的とする靴の歩行補助に用いる弾性体のバネ要素として,金属バネ,ガスダンパ,エアサスペンションを検討した.これらを踏まえ,本研究における29年度の実施内容は以下のとおりである. ・弾性を有する靴についての検討:ハイヒール,およびバネを備えたハイヒールの機能的な差を,その構造の比較と,履き心地,歩き心地を比較した. ・弾性を有する踵を搭載したハイヒールの検討:弾性変形する踵の揺動運動と歩きやすさの関係性を検討した.単にクッションを踵に設ける構造であると,踵の弾性変形の方向は,脚の接地方向などでバラついてしまう.特にハイヒールなど踵が高い靴は,これが不安定性につながると考えた.そこで,踵の弾性変形の方向を規制する揺動リンクを用いて,変形方向を設定可能とした.具体的には,踵の揺動する半径と,瞬間中心を変更可能なハイヒールを作成した.これらの2つの条件を変更した各条件で,歩行時の腓腹筋の筋電位を比較した.実験の結果,瞬間中心の位置や揺動半径の調整により歩行時の筋電位が低下する傾向を確認した.この結果から,弾性変形する踵の変位方向を適切に設定することで歩行疲労をより軽減できる可能性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度の研究の進捗状況について記載する. 上記の研究実績で記載したように,新たな補助機能を有したハイヒール等の靴の提案に向けて,各種検討を実施した.特に靴の踵の変位方向を調整可能な靴を用いた実験によって,疲労軽減を軽減する靴形状の設計指針を得た.今後の靴設計に反映する予定である.靴というファッション(外観)に影響するものに,新たな機能を付加するため,そのデザインを壊さない範囲で,設計を行う必要がある.その観点で,カカト部および 靴後方部にその機能を集約する方法を引き続き検討している.上記各種検討を踏まえて,弾性要素を有した靴の試作を繰り返している.
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Strategy for Future Research Activity |
上記各種検討を踏まえて,弾性要素を有した靴の試作検討を継続する.29年度は特に,靴の装着性や意匠と,歩きやすいさの機能面の両立について検討を深める.
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Causes of Carryover |
当初は,アクティブあるいはセミアクティブな要素を付加する必要性を予想していたが, パッシブな機構のみで,期待する性能が見いだされる可能性があり,その分の製作費用が掛からなかった.29年度に想定していた試作費用を用いて,30年度に本格的な試作や試験回数の増加を行う.
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