2016 Fiscal Year Research-status Report
繊維の良／貧溶媒混合法による収縮性を応用した立体模様導入技術の確立
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16K12703
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| Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
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Principal Investigator |
花田 朋美 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (30408299)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ポリ乳酸繊維 / 収縮加工布 / 混合溶媒法 / 生分解性 / 家庭用生ゴミ処理機 / 分散染料 / 染着量 / ソックスレイ抽出法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
『ポリ乳酸繊維布における収縮加工の生分解性への影響』については，良溶媒のジクロロメタン，1.2ジクロロエタンと貧溶媒エタノールとの混合溶媒法を用いて収縮処理を施した収縮率の異なる（0％，10％，15％，20％）各試料布を家庭用バイオ式生ゴミ処理機で処理し，引張強伸度と重量の処理時間依存性について観察した．ジクロロメタン／エタノールの系では，生ゴミ処理機に投入後７日の試料で強度低下が観測され，処理時間の経過に伴い低下の割合が大きくなり，生分解の第一段階である加水分解が進行していることが確認できた．更に，強度低下の割合は収縮率の増大に伴い大きくなり，収縮率依存性を示すことが明らかとなった．また，収縮率20%の試料においては，40日後の試料で重量減少を観測することができ，生分解の第二段階である微生物分解が進行しており，重量減少においても収縮率依存性を示す結果が得られた．一方，1.2ジクロロエタン／エタノールの系では，７日後の試料で強度低下が観測され，処理時間の経過に伴い低下の割合が大きくなり，強度低下は処理時間依存性と収縮率依存性を示したものの，ジクロロメタン系に比べ変化量が小さく，収縮率が同じ試料においても生分解性が異なる結果が得られている．
『ポリ乳酸繊維布における収縮加工の染色性への影響』については，収縮に伴う濃色化の要因を明らかにすることを目的として，ジクロロメタン／エタノール混合溶媒法により収縮処理を施した収縮率の異なる各試料布を分子構造と分子量の異なる３種の分散染料を用いて染色した．染色後の各試料からソックスレイ抽出法を応用して，染料を脱着した抽出液を採取し分光分布を測定して分散染料の染着率を算出した．染料の構造と分子量の相違により染着量の収縮率依存性に差異が生じる結果が得られ，収縮による分子間空隙の変化により分散染料との親和力に変化が生じた結果であると考察している．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
改組等に向けた学内業務の増加により，エフォートが申請値より大幅に減少したため，研究に遅れが生じた．
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| Strategy for Future Research Activity |
『ポリ乳酸繊維布における収縮加工の生分解性への影響』については，1.2ジクロロエタン／エタノールを用いた混合溶媒法で処理した試料において，収縮率を変化させ，更に詳細な検討を行い，収縮加工による生分解性の影響を明らかにする．
『ポリ乳酸繊維布における収縮加工の染色性への影響』については，1.2ジクロロエタン／エタノールを用いた混合溶媒法で処理した試料において，同様の３種の分散染料を用いた実験を行い，良溶媒種の相違による染色性への影響について検討し，染色性と収縮性の相関関係を把握する．
『ナイロン繊維の収縮性の検討』については，ナイロン布，及びナイロン糸を試料とし，良溶媒のギ酸と貧溶媒の水，及びエタノールを用いた混合溶媒法にて収縮実験を行い，貧溶媒の相違による収縮への影響と収縮に与える織構造の影響を抽出し，ナイロン繊維の収縮のメカニズムを検証する．
『極細繊維布に対する立体模様付与の可能性の検討』については，現時点で適切な試料の入手が困難であるため，試料が検討でき次第，ナイロン繊維の収縮性の結果を基に実験を推進したいと考えている．
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| Causes of Carryover |
実験の遅れに伴い，使用を控えたため，経費に残額が生じた．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰越し，物品費，及び学外試験の経費等として充当する予定である．
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Research Products
(2 results)
