2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establish the Production of Textiles Technique with Unevenness Pattern in Applying the Shrinkage of Fiber Treated by Good-Poor Solvent Mixture
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16K12703
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
花田 朋美 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (30408299)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ポリ乳酸繊維 / ナイロン繊維 / 収縮加工 / 良/貧溶媒混合法 / 生分解性 / 家庭用生ゴミ処理機 / 分散染料 / 染着量 |
Outline of Annual Research Achievements |
【ポリ乳酸繊維布における収縮加工の生分解性及び染色性への影響】 ポリ乳酸繊維の良溶媒ジクロロメタン,1,2-ジクロロエタン,クロロホルムと貧溶媒エタノールを用いた良/貧溶媒混合法により収縮加工を施した試料布と未収縮布を試料とした.生分解性においては,家庭用バイオ式生ゴミ処理機で処理し,強度と重量の処理時間変化の観測から生分解性を評価した.その結果,いずれの良溶媒種においても強度低下と重量減少が生じ,処理時間依存性と収縮率依存性を示すものの,変化の割合はジクロロメタンが最も大きく,次いで1,2-ジクロロエタン,クロロホルムとなり,収縮率が同じ試料においても良溶媒種により初期生分解性が異なることが明らかとなった.また,収縮加工を施したポリ乳酸繊維布を染色すると,未収縮布に比べ濃色化する結果が得られた.収縮による濃色化の要因を明らかにすることを目的として,試料を分子構造の異なる3種の分散染料を用いて染色し,ソックスレー抽出法により脱着して抽出液の分光分布を測定した.吸光度から染着量を算出し,収縮率と染着量の相関を求めた結果,良溶媒種の相違により染着量の収縮率依存性が異なることが明らかとなった.良溶媒種による初期生分解性や染着量の収縮率依存性の相違は,良溶媒種の分子容の大きさと極性の有無による良/貧溶媒混合溶液と繊維分子鎖との相互作用の差異が反映された結果であると考察している. 【ナイロン繊維の収縮性の検討】 繊度の異なる糸を試料とし,良溶媒にギ酸,貧溶媒に水,エタノール,1-プロパノールを用いた各良/貧溶媒混合溶液による収縮実験を行った結果,繊度が小さい試料の収縮率が大きくなり,極細繊維への応用が可能であると考えられた.更に,貧溶媒種の分子容の大きさが収縮効果に影響していることが明らかとなり,溶媒の組合せにより収縮効果を制御することが可能であることが明らかとなった.
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Research Products
(2 results)