2018 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮からの回復を促進するポリフェノールとタンパク質との相乗効果解明
Project/Area Number |
16K12721
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
向井 理恵 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (90547978)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フラボノイド / 筋萎縮 / 健康 / 機能性食品 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、タンパク質量を変化させた食事条件における機能性食品成分の評価方法の構築を実施した。マウスの餌の重量単位当たりのエネルギーを変化させずに3大栄養素の組成を変化させて、骨格筋萎縮からの回復試験を実施した。具体的には、タンパク質の組成を半減させ、エネルギーを一致させるために炭水化物で置き換えた餌を用いて実験を実施した。摂餌量をそろえるために、マウスの餌を固形化し、日々重量を量ることで、Pair-Fed法で飼育を実施した。この餌は、マウスの後肢にギプスを固定することで廃用性筋萎縮を予め発症したマウスに与えた。ギプス固定の解除により、骨格筋への張力が回復し、骨格筋の合成が開始される。なお、試験期間中の飲水は自由摂取とした。この試験では、後肢の骨格筋の質重量の測定をもって、筋肉量の指標とした。結果としては骨格筋の回復期間にタンパク質の量を規定の半分量に減じた餌を与えた場合場合であっても、標準的なのタンパク質量で飼育したマウスでの骨格筋量の回復の程度と違いななく、タンパク質量を減じた影響がないことを明らかにした。仮説では、タンパク質量を減じた場合には、骨格筋の回復が遅延することを想定していたが、それとは異なる結果となった。研究の目的としては、タンパク質栄養と機能性成分の掛け合わせを評価することが目的であるため、タンパク質栄養によって影響をうける評価系の条件設定をさらに進める予定である。変更する条件としては、飼育期間と餌の組成の両者である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本課題は、平成30年度で終了予定であったが、研究場所の移転の影響で遅延が発生した。特に、動物実験の施設を移動させたことが影響している。平成30年度において、当該実験施設の設備がほぼ完了し、動物実験を順調に進めるための準備が整った。このことから、研究の第一ステージである動物実験を実行するに至った。しかしながら、概要で述べたように、仮説していた研究データとならなかったことから、実験条件を再検討する必要が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋萎縮からの回復にはタンパク質栄養の寄与が大きいとされる。しかしながら、平成30年度の動物実験では、タンパク質栄養の影響を反映する動物実験の結果が得られなかった。これについては、タンパク質栄養の条件を変更した後の摂取期間の問題、生体での代償作用が起こった可能性などが示唆された。今後は、タンパク質栄養が骨格筋に与える量的あるいは質的影響について、情報収集とその精査を行い、研究目的を遂行できるように再び準備し、動物実験を実施したいと考えている。また情報収集においては、これまでの予備データを含めて、他研究者との議論の機会を設けて、有益なアドバイスを得られるように努めたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、研究施設の移動と人員変更があったため、動物実験の実施が困難であったことが挙げられる。次年度は、今年度実施予定だった項目をまず検討する。具体的には、タンパク質量を変化させた場合のフラボノイドの筋合成機能について評価を行う。摘出したサンプルを用いて、メタボローム解析を実施することで、影響があった代謝経路の同定を行う。
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