2016 Fiscal Year Research-status Report
消化器がん患者における主観的包括的栄養評価法の有用性
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16K12722
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
濱田 康弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (30397830)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 主観的包括的栄養評価法 / 消化器がん |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者に対する治療および緩和ケアにおいて、栄養状態は治療、合併症、予後等に大きな影響を及ぼすため、栄養状態の評価は非常に重要である。しかしながら、現在までのところ、どのような栄養評価を行うのがよいのかといったことについてすら確立されていないこともあり、実地臨床の現場において、栄養状態の評価が系統的に広く行われているとは言い難い。本研究においては、徳島大学病院に入院する消化器がん患者を対象として、特別な機器を必要とせず、問診および簡単な視診、触診のみで、もっとも簡便に実施可能であると考えられる主観的包括的栄養評価法の妥当性・有用性を検証することにより、将来的に主観的包括的栄養評価法を病院、診療所、在宅を問わず簡便に実施可能で有用な栄養スクリーニング・アセスメントツールとして広く普及させることを目的としている。 症例蓄積中の段階ではあるが、現在までに190名の消化器がん患者のデータが集まっている。途中の解析の段階では、徳島大学病院に消化器がんの手術のために入院した患者の約65%が栄養状態良好と判断され、約30%が中等度栄養不良、残り5%が高度栄養不良と診断された。この判定について、身体計測、血液検査、体組成分析等の所見とよく相関しており、また、既存の予後栄養指標とよばれるような指標ともよく相関することが実証された。引き続き、症例およびデータの蓄積を行い、予定症例数が集まり次第本解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定症例数は200~300名であり、後1年で十分に到達可能である。また、各種データについてもほぼ欠損なく収集できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き徳島大学病院に入院する消化器がん患者の症例データの蓄積を行い、適切な時点で予定通り、主観的包括的栄養評価法の有用性に関する解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初より2年間の研究期間を設定しており、症例およびデータの収集が終了するのが、平成28年度末、もしくは平成29年度始めとなる予定であった。平成28年度中に解析の段階にまで進んだ場合には、当初予定額の使用が必要であったが、実際には、平成29年度始めとなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度終了時点で、予定症例数にはほぼ到達しているため、少なくとも平成29年度中には本解析に入れる予定であり、次年度使用額と平成29年度使用額を合わせて使用する。
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Research Products
(2 results)