2016 Fiscal Year Research-status Report
ベージュ脂肪細胞の可視化を目指した生体イメージング法の確立と抗肥満成分の探索
Project/Area Number |
16K12728
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 講師 (00223298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向阪 彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (00458051)
竹島 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40647517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗肥満機能成分 / 生体イメージング法 / ベージュ化脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症の分子基盤の解明と、その予防法、治療法の開発は喫緊の課題である。 研究の初期段階で、既に発表されていたUCP-1/Luciferseレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスのThermoMouse(Cell Report 9, 1584-93, 2014)が、米国ジャクソン研究所から分与可能であることが明らかとなったため、現在輸入手続を始めているところである。そこで本年度は、既に抗肥満作用を有すると考えられる和歌山県産農産物由来機能成分(サンショウ成分;ZP)の有用性について評価を行うと伴にUCP-1遺伝子の転写調節領域をPCR法にて増幅させ、レポーター遺伝子と繋ぎコンストラクトを完成させた。 高脂肪食(HFD)負荷による肥満誘導モデルにおけるサンショウ成分の効果の検討を行った。3%ZPをHFDに混餌した群(3%ZP群)では摂食後 1 週目から HFD 群に比し有意に体重増加抑制効果が見られた。また、3%ZP 摂取群では、HFD を食しているにもかかわらず標準食群によりも体重増加抑制傾向が見られた。1%ZP 群でも摂取後6週間で有意に体重増加抑制効果が見られた。また、内臓脂肪組織重量はサンショウ 粉末の混餌含量濃度依存的に減少した。肝臓重量もHFD群に比し3%ZP 群で有意に低下した。さらに脂肪肝抑制効果がみられ、さらに高脂肪食による肥大化した脂肪細胞のサイズも3%ZP 群で減少していた。またこれに呼応するように、サンショウ成分の投与量依存性に鼠径部皮下脂肪組織でのUCP-1遺伝子発現の増強が見られた。 以上のことから、サンショウ成分摂取によって体重の増加抑制効果や、脂肪肝の抑制、 脂肪細胞のサイズの小型化などの背景には、熱産生により脂肪蓄積を抑えるベージュ化関連遺伝子の発現増強があるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の初期段階で、既に発表されていたUCP-1/Luciferseレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスのThermoMouse(Cell Report 9, 1584-93, 2014)が、米国ジャクソン研究所から分与可能であることが明らかとなった。このため受託作成するよりも購入分与を選択した。輸入手続きや組換えDNA申請等に時間を捉えているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
UCP-1/Luciferseレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを用いて、サンショウ成分の抗肥満効果がある単一成分を同定することと及び経口投与によって効果のある他の農産物由来成分のスクリーニングを進めて行きたい。
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Causes of Carryover |
遺伝子組み換えマウスを米国ジャクソンラボから購入しようと手続きを進めたが、遺伝子組み換え実験申請書、動物実験申請書等の準備と輸入手続き等に時間を要したため、当該年度中に発注し納品することが不可能となったため、当該遺伝子組み換えマウス購入費並びに輸入手数料を次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該遺伝子組み換えマウス購入費並びに輸入手数料に充当する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] ANOMALOUS CHANGES IN ATMOSPHERIC RADON CONCENTRATION BEFORE AND AFTER THE 2011 NORTHERN WAKAYAMA EARTHQUAKE (MJ 5.5)2016
Author(s)
Goto,M, Yasuoka,Y*, Nagahama, H, Muto, J., Omori,Y., Ihara,H., Mukai, T
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Journal Title
Radiation Protection Dosimetry
Volume: -
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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