2017 Fiscal Year Annual Research Report
Prevention of catechin oligomer on sarcopenia via sympathethic nerve
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16K12731
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
越阪部 奈緒美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カテキンオリゴマー / ロコモーティブシンドローム / 筋萎縮 / 交感神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高齢化の進展によって運動器の障害であるロコモ―ティブシンドロームが医学的にまた社会的に大きな課題となっている。ロコモ―ティブシンドロームの大きな要因として、老人性筋萎縮症あるいは寝たきりなどで生じる廃用性筋委縮症がある。これまでにこれらの筋委縮症の予防に対して、幾つかのポリフェノール類の有効性が報告されてきたが、その作用メカニズムは不明であった。我々はこれまでにカテキンオリゴマーが交感神経活動を亢進させることで、血中のカテコールアミン濃度を上昇させ、骨格筋の代謝を促進することを見出している。そこで本研究ではカテキンオリゴマーであるテアフラビン・プロシアニジン(flavan 3-ols)が交感神経活動の亢進を介して、廃用性筋萎縮モデルである尾懸垂マウスの筋重量の低下に影響するか否かについて検討を実施した。尾懸垂群においてひらめ筋・腓腹筋・前脛骨筋の有意な重量の低下が認められたが、flavan 3-ols投与群においてはこの低下が顕著に抑制され、長肢伸筋では尾懸処置によって重量の低下は認められなかったが、flavan 3-ols投与によって増加が見られた。またヒラメ筋における筋分解酵素であるユビキチンリガーゼ(MuRF-1・MAFbx-1)は、尾懸垂群で有意な上昇が認められた。一方、尾懸垂-flavan 3-ols群においては尾懸垂による増加を抑制した。また筋合成酵素であるp70-S6K発現は、懸垂群では有意な低下が認められたが、flavan 3-ols群においては増加した。昨年度カテキンオリゴマーであるテアフラビンについて同様の検討を実施したが、顕著な効果が認められなかったことから、ポリフェノールの筋委縮の予防作用は微細な化学構造の違いが大きく影響することが示唆された。
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