2018 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to detect the greenhouse effect for science education
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16K12749
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20237176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 伸示 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70165893)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地球温暖化ガス排出削減 / 大気現象 / 地球観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、破損した空気箱の窓を補修して空気漏れを改善し、薄いユーピロン・シートを装着して実験を再開した。この素材には、2ミクロンや8ミクロン付近に芳香族特有の強い吸収線が見られるが、シートを薄くすると、ほとんどの波長で80%以上の高い透過率を確保できる。しかし、素材が脆弱なため、装置の窓を小ぶりにしても1気圧の気圧差による変形の問題は十分には解決することができなかった。実験中の結露の防止については、一旦-30℃以下に冷却して乾燥したものを使用する等の工夫を行った。装置の修理後、実験を再開し、空気箱を二酸化炭素と窒素で交互に満たし、データを取得した。期待値に近い0.5℃程度の温度差が観測されることもあるが、その再現性には問題があり、今回の取り組みでは温室効果を検出したとの結論には至らなかった。安定した再現性を確保できない原因は、やはり気圧差による窓材の変形や、工夫してもまだ除去しきれない実験中の僅かな結露の他に、実験装置の消費電力が大きすぎることが挙げられる。つまり、-40℃の外気温を確保するために用いた冷凍庫の排熱能力に比べ、実験装置の消費電力(光源部分の100W級のランプ)が大きく、装置及びその周辺の温度が不安定になることが、安定した測定結果を得られない主な要因であるものと思われる。
惑星スケールの現象である温室効果を実験室で再現するのは極めて困難ではある。この実験を完成させるためには、(1)窓材をさらに小さくし、(2)液体窒素等で冷却したより完全な乾燥空気を用い、さらに、(3)光源であるランプの消費電力をかなり小さなものにするよう実験装置全体を小型化する、などの工夫が必要であることがわかった。今後、実験装置のアイデアを根本的に見直して、次の機会を待ちたい。
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[Journal Article] Chemical Diversity in Three Massive Young Stellar Objects Associated with 6.7 GHz CH3OH Masers2018
Author(s)
Kotomi Taniguchi, Masao Saito, Liton Majumdar, Tomomi Shimoikura, Kazuhito Dobashi, Hiroyuki Ozeki, Fumitaka Nakamura, Tomoya Hirota, Tetsuhiro Minamidani, Yusuke Miyamoto, and Hiroyuki Kaneko
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 866
Pages: id.150, 19pp.
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research