2016 Fiscal Year Research-status Report
教材及び教授法と協調した革新的コンピテンス評価の構築
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16K12753
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
市坪 誠 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (50223102)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンピテンス評価 / ジェネリックスキル / 教材 / 教授法 |
Outline of Annual Research Achievements |
技術者として求められるコンピテンスを、「工学基礎力」と「(分野別)専門力」、「分野横断的能力:ジェネリックスキル」の3つに大別し、指標ごとの到達目標と評価基準(採点ルーブリック)の調査を行った。その結果、工学基礎科目においてその基礎力と併せてジェネリックスキルを評価できる状態とした。併せて、実験・実習などの(工学)専門科目において専門力とジェネリックスキルとの両方を評価できる状態とした。つまり、工学基礎力とジェネリックスキルには、それぞれ関係性(共有面)があり、両能力を効果的に伸ばすことの標準化を行うことが可能となった。同様に、専門力とジェネリックスキルにおいても両能力を効果的に伸ばすことの標準化を行うことが可能となった。上記を踏まえ、英語や国語、体育、(機械系、電気系、情報系、化学生物系、建設系)実験・実習などといった、具体的科目において、教材と教授法をパッケージ化した教授マニュアル(案)を作成した。 続いて、コンピテンスのうち、特にジェネリックスキルに着目し、作題のあり方を検討した。その結果、学問体系におけるコア部分の設定、キーワードの位置づけ設定、到達レベルの設定、難易度の調整、採点ルーブリックの調整、択一式や記述式の選定調整等の検討を踏まえ、“作題に係る課題の洗い出しとその解決に係る作題手法のルール化”を行った。ジェネリックスキル指標として、特に、批判的思考力、創造的思考力、協働的思考力といった3能力を定め、具体に作題(30題)を行った。 最後に、上記を踏まえ、教員の教育指導研修のあり方を検証し、学生を自主的能動的とする教授法の研修マニュアル(案)を作成した。これを踏まえ、アクティブ・ラーニング研修を2高専で実施し、教員97名(高専92名、技大7名)が参加し、全国10高専に高専-技大ネットワークで配信した。 なお、上記研究の成果は学会にて発表する予定(投稿中)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
下記3点は、当初研究予定にはなかったものの、実施・遂行できたことから、計画以上に進展していると判断した。 1.コンピテンスの基軸が確立することで、具体的科目において、教材と教授法をパッケージ化した「教授マニュアル(案)」が作成できた点。 2.作題に係る課題の洗い出しと作題手法のルール化を確立することで、批判的思考力、創造的思考力、協働的思考力といった3能力の作題が行えた点。 3.上記を踏まえ、教員の教育指導研修のあり方を検証し、学生を自主的能動的とする教授法の研修マニュアル(案)を作成した点。
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Strategy for Future Research Activity |
技術者として求められるコンピテンスにおいて、その指標ごとの到達目標と評価基準(採点ルーブリック)の調査を、企業及び大学等にて継続的に行う。併せて、ジェネリックスキルを主とした「コンピテンス試験」を実施する。ジェネリックスキルが、技術者として分野横断的な能力であるという観点から、日本に限らず、他国(ベトナム国、タイ国等)でも試験を実施して、その普遍性と国別の個性等を把握する予定である。これより、学生の発達段階、学習到達段階に応じたコンピテンス、なかでもジェネリックスキルの到達目標と評価基準(採点ルーブリック)を確立するとともに、英語や国語など工学基礎科目、学年進行及び学習領域を踏まえた実験・実習などの(工学)専門科目において、コンピテンス(工学基礎力、(分野別)専門力、ジェネリックスキル)評価を確立する。 上記を踏まえ、技術者としてのコンピテンスを伸ばすことを目的に、特に高専をモデルとした、学生の発達段階、学習到達段階に応じた効果的な教材及び教授法を確立する。これらは、工学基礎力や(分野別)専門力に限らず、ジェネリックスキルを同時に伸ばすものである。1年目に開発した、英語や国語、体育、(機械系、電気系、情報系、化学生物系、建設系)実験・実習など、具体的科目において、教材と教授法をパッケージ化した教授マニュアル(案)を改善して確立することとなる。つまり、教材及び教授法の効果を学生のコンピテンスの伸びにより把握し、教材及び教授法と協調したコンピテンス評価の構築を行い、これを踏まえた、アクティブ・ラーニング研修マニュアルを確立し、高専及び技大にて教員研修を実施予定である。コンピテンスを基軸とした評価法により、(学生の)学習法及び(教員の)教授法の振り返りが可能となるだけでなく、科目ごとの教材と教授法、評価法を体系化することとなる。
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Causes of Carryover |
計画的に運用したものの端数が残となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画的に運用する予定にある。
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