2016 Fiscal Year Research-status Report
視線計測を活用した教師の「みえ」の可視化とリフレクションへの援用に関する研究
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16K12778
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姫野 完治 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (30359559)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 授業研究 / 授業認知 / 教師 / リフレクション / 授業観察 / 視線 / みえ / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視線計測装置を用いて教師の「みえ」を解明するとともに、その「みえ」を教師のリフレクションに援用することを通して、教師の「みえる」力の向上方策を検討することを目的としている。本年度は、下記の研究を行った。 1)現職教師と教育実習生の授業中の「みえ」に関する調査:4名の現職教師と1名の教育実習生の計5名について、授業実施時にウェアラブルカメラを装着してもらい、それにより記録した授業映像を授業後に視聴することを通して、授業中の視線や思考についてリフレクションを行った。教室を客観的に撮影した授業映像を用いた授業研究と比べて、授業者の主観が直接的に表出されることから、本研究手法を「主観カメラ」と命名し、授業中の教師や実習生の「みえ」を探索した。 2)現職教師の授業を観察する教育実習生およびベテラン教師の「みえ」に関する調査:現職教師の授業を、教育実習生2名、大学院生1名、指導主事経験のある大学教員1名が観察する際にウェアラブルカメラを装着してもらい、授業観察中の視線や思考についてリフレクションを行った。 3)これらの研究成果を学会で報告した。教育実習生と現職教師による授業中の「みえ」の違い、教育実習生同士による「みえ」の違いや共通点を分析し、現職教師と教育実習生の授業認知の比較分析、指導教員の授業を見る教育実習生の授業認知の比較分析、教師の子ども理解と授業中の視線の関連分析の成果を学会発表や論文としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年に計画していた内容について、以下のような進捗状況となっているため、おおむね順調に進展していると考えている。 ・授業実施中および授業観察中の現職教師および教育実習生の視線データを収集し、分析できたこと ・ある授業を複数で観察する際の、観察者による視線の違いなどを比較分析し、その背景にある授業観や「みえ」の傾向性を検討したこと ・これらについて学会において複数の発表を行い、また論文としてまとめたこと
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って研究を推進する。2年計画であることから、今年度収集したデータをさらに分析するとともに、調査データを追加し、本研究の成果を精緻化していきたい。
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Research Products
(9 results)